白木裕子の「実践! 仕事力の磨き方」 VOL.22
いよいよ始まった法改正への議論、押さえるべきポイントは(前編)
日本ケアマネジメント学会副理事長の白木裕子先生が、介護保険制度や社会情勢に対応するためのポイントや心構えを、わかりやすく伝授する「仕事力アップ講座」。第22回は、2年後の介護保険法改正や介護報酬改定に向けた議論の中でも、ケアマネジャーが押さえておきたいポイントを紹介します。
特に押さえるべき3つの議題
今年に入り、介護保険法改正・介護報酬改定に向けた議論がスタートしました。2024年度は、介護サービスだけでなく医療サービスや障害福祉サービスの報酬が同時に改定される年です。それだけに今回は、法改正や報酬改定に至るまでの背景や経過を理解しておくことが重要です。
とはいっても、日々の業務に取り組みながら、制度や報酬などの議論をすべて把握することは大変な労力と時間を要します。
そこで今回は、現場のケアマネジャーさんが特に把握しておくべき重要なテーマについて紹介していきます。
注目すべきテーマは、ずばり、以下の3点です。
(1)ケアマネジメントに自己負担を導入するか、しないか
(2)自己負担割合が「2割」や「3割」になる対象者が増えるか、現状維持か
(3)福祉用具貸与だけを位置付けたケアプラン(用具のみプラン)の報酬が減るかどうか
ケアマネこそ改正議論を知っておくべき―その理由は?
現場を担うケアマネジャーさんの中には「実際に変更があるのは2024年4月でしょ?今から気にしてしょうがない」と思われる方がいるかもしれません。確かに、実際に制度や報酬単価などが変わるのは2年後です。
ただ、変更された内容をご利用者様に伝え、納得してもらう役割を担うのは、ほかならぬ私たちです。
特に利用料金が高くなったり、使えるサービスが制限されてしまったりすると「制度が変わったので…」という説明だけでは、なかなか納得してくれない方も出てくるでしょう。実際、ベテランのケアマネジャーさんの中には、2015年度の「2割負担の一部導入」の際、ご利用者様への説明に苦労された方もいらっしゃるはず。
先にも述べた通り、2024年度は介護報酬と診療報酬が同時に改定される年ですから、2015年度よりも大きな制度変更がもたらされる可能性があります。そういう意味でも、制度改正の背景や経過を理解しておいた方がよいでしょう。
- 白木 裕子 氏のご紹介
- 株式会社フジケア社長。介護保険開始当初からケアマネジャーとして活躍。2006年、株式会社フジケアに副社長兼事業部長として入社し、実質的な責任者として居宅サービスから有料老人ホームの運営まで様々な高齢者介護事業を手がけてきた。また、北九州市近隣のケアマネジャーの連絡会「ケアマネット21」会長や一般社団法人日本ケアマネジメント学会副理事長として、後進のケアマネジャー育成にも注力している。著書に『ケアマネジャー実践マニュアル(ケアマネジャー@ワーク)』など。
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