白木裕子の「実践! 仕事力の磨き方」 VOL.13
改定で拡充!特定事業所加算(後編)
日本ケアマネジメント学会副理事長の白木裕子先生が、介護保険制度や社会情勢に対応するためのポイントや心構えを、わかりやすく伝授する「実践! 仕事力の磨き方」。第13回は、4月の介護報酬改定で拡充された特定事業所加算についてです。
インフォーマル要件、まずは「無意識の活用」を見直して!
4月から、居宅介護支援の特定事業所加算の単位が引き上げられました。そして新たに「特定事業所加算A」(加算A)が100単位/月で新設されました。
「加算A」とともに注目されるのは、加算全体の要件として、インフォーマルサービスの活用を推進する内容が盛り込まれた点でしょう。
インフォーマルというと、なんだかハードルが高そうにも思える人もいるかもしれません。でも、身構える必要はないと思います。ほとんどのケアマネは、既にインフォーマルな地域資源を、無意識に活用し、利用者を支えているはずですから。
例えば、配食サービスの担当者や郵便局の配達員、近所のご友人を通して、ご利用者の様子や安否を確認することはありませんか。
そうした対応を見える化し、言語化してプランに明記するだけで、ずいぶんと多くのインフォーマルサービスを活用しているということになると思います。
なお、3月末に示された疑義解釈では、インフォーマルサービスを位置付けたケアプランがない場合でも、ない理由さえ説明できれば、特定事業所加算を算定できる方針が示されました。
コロナ禍だからこそ!進化した家事サービスに注目
ただ、この方針が示されたからといって、インフォーマルサービスの利用を控える必要はありません。コロナ禍の影響で、家事に関するサービスも急速に進化している点を思えば、加算の算定に関係なく、積極的に活用すべきでしょう。
コロナ禍で進化したサービスの代表は配食でしょう。コンビニエンスストアやスーパーはもちろん、ウーバーイーツが走っている街なら、小さな専門店の料理も自宅で入手できます。また、ダスキンなどのようにハウスクリーニングを手掛ける事業者も増えています。
ヘルパーの確保が難しくなっていることもあり、今後はこうした「家事のプロ」の手を借りることも前向きに検討すべきかもしれません。
- 白木 裕子 氏のご紹介
- 株式会社フジケア社長。介護保険開始当初からケアマネジャーとして活躍。2006年、株式会社フジケアに副社長兼事業部長として入社し、実質的な責任者として居宅サービスから有料老人ホームの運営まで様々な高齢者介護事業を手がけてきた。また、北九州市近隣のケアマネジャーの連絡会「ケアマネット21」会長や一般社団法人日本ケアマネジメント学会副理事長として、後進のケアマネジャー育成にも注力している。著書に『ケアマネジャー実践マニュアル(ケアマネジャー@ワーク)』など。
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