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ケアマネを支える先進自治体 VOL.5
【朝来市】主任ケアマネを中心とした地域づくりと人材育成を推進(前編)

主任ケアマネジャーと地域包括支援センターの制度が誕生したのは2006年度のこと。兵庫県朝来市では、その直後から、主任ケアマネジャーが中心となり、人材育成と地域づくりに取り組み続けています。「よい支援を受けた援助者こそが、よい支援を提供できる」をコンセプトに、10年以上の歩みを重ねているその活動を取材しました。

後編はこちら「モチベーションを保つため、主任ケアマネをファシリテーターに」

【朝来市】主任ケアマネを中心とした地域づくりと人材育成を推進(前編) 写真右から:
朝来市ケアマネジャー協会 朝来市ケアマネジャー協会会長・北川慎一さん
朝来市ケアマネジャー協会主任介護支援専門員委員会副委員長代理・三多久実子さん
朝来市ケアマネジャー協会副会長・中尾照美さん
朝来市ケアマネジャー協会主任介護支援専門員委員会委員長・兼末佳代子さん
朝来市健康福祉部 副課長・足立里江さん

「何ぞさしとくれ~」-主任ケアマネの熱意が支援の原動力に

主任ケアマネジャーの研修では、地域づくりや人材育成に携わることが主任ケアマネジャーの役割であることを学びます。そして、11日間の研修を終えて資格を取得すると、すぐに主任ケアマネジャーとしての役割を求められます。制度がスタートした06年度も、そうでした。

【朝来市】主任ケアマネを中心とした地域づくりと人材育成を推進(前編)

しかし、いきなり「地域で活動するように」と言われても、何をしていいのか分からず困惑するばかりでした。さらに、当時の朝来市では、主任ケアマネジャーがその知識や経験を生かせる仕組みがありませんでした。

そんな状況だったからでしょうか。当時、三多さんをはじめとした主任ケアマネジャーたちは、市の窓口にきて「何(なん)ぞさしとくれ~な~」(※但馬地方の方言で、「何かさせて欲しい」という意味)と訴えたのです。地域の中で主任ケアマネジャーとして何か役割を担いたい―。初代主任ケアマネジャーたちのこの熱意が、地域ぐるみで取り組むケアマネジメント支援の原動力となりました。

そしてもう一つ、ケアマネジャーが置かれた苦しい状況も、活動のきっかけとなりました。十分な学習の機会や知識がなかったために、アセスメントなどがうまく言語化できず、ケアプランを作るのに四苦八苦するケアマネジャーが多かったのです。実際、地域包括支援センターが開設された06年度には、153件もの処遇困難ケースの相談が寄せられていました。

さらに、06年度のころにはケアマネジャーの退職も相次いでいました。医療との連携が強く求められるようになった時期であり、そこに苦労した人も多かったのでしょう。

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ステップを踏んで成熟したケアマネジメント支援システム

このような状況の中、朝来市では、次のようなステップを踏んで、地域ぐるみのケアマネジメント支援に取り組んできました。

【朝来市】主任ケアマネを中心とした地域づくりと人材育成を推進(前編)

何から始めたらよいのか分からず、主任ケアマネジャー同士で相談した結果、まずは、自分たちが「人材育成」と「地域づくり」を担えるだけの力をつけることが肝要なのではないかということになりました。

そこで、第1期の取り組みは「主任ケアマネが共に学びあう」から始めたのです。

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学びの機会はインフォーマルとフォーマルの両輪で

最初の取り組みは、朝来市ケアマネジャー協会の有志が集まり、平日の夜に始めた気づきの事例検討会・基礎学習会でした。共通のテキストを購入し、少人数・クローズドで毎月勉強しました。そこでは、少人数ながらも、主任ケアマネジャー同士のネットワークが育まれ、単なる知識の学びだけではなく、自身の実践を振り返り言葉にしていくプロセスや、仲間同士の共感や支え合いの土壌が育まれていきました。

このように、公務を離れたインフォーマルな勉強会には、大きな意義が感じられました。

【朝来市】主任ケアマネを中心とした地域づくりと人材育成を推進(前編)

しかしながら、地域ケアの現場では、主任ケアマネジャーの役割はフォーマルなものとして社会的に求められるものです。平日の夜に自由参加で開催される職能団体の勉強会だけでは、そこに参加できない主任ケアマネジャーも多く、勉強会のスタイルとして限界も感じられました。そこで09年度からは、インフォーマルな気づきの事例検討会と並行し、行政主催のフォーマルな学びの場である「スーパーバイザー養成事業」をスタートしたのです。

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最初は3年かかったケアマネジャーから主任ケアマネジャーへの転身

このスーパーバイザー養成事業では、外部から講師を招き、「主任ケアマネジャーとして果たすべき役割」を繰り返し学びました。その中では、「あなたたちは、資格も肩書もあるけれど、主任ケアマネジャーの舞台には上れていない。ケアマネジャーから主任ケアマネジャーになりきれていない」という厳しいコメントを、講師から何回もいただきました。

資格をとり、肩書をもらい、頭では「ケアマネジャー」ではなく「主任ケアマネジャー」なのだとわかっていました。わかってはいたのですが、学びに対する一人ひとりの基本姿勢や、交わす言葉の一つ一つが、なかなか「自分自身のために学ぶ」から脱し切れていなかったのです。

結局、「もはや、自分のために学ぶのではなく、部下や後輩を育てるために学ぶのだ」という人材育成を担う者の立ち位置に立てるまでに、3年の月日がかかっていました。

「自分の業務ですら納得いく形で実施できていないのに、部下に指導するなんて・・・」と、不安を感じながらも、期待される役割が果たせるよう、自分と向き合い、学び続けた3年間でしたが、それでも、そんな主任ケアマネジャーの後ろ姿は、後輩たちのロールモデルになっていきました。

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部下や後輩たちに主任ケアマネジャーの役割を伝える

【朝来市】主任ケアマネを中心とした地域づくりと人材育成を推進(前編)

主任ケアマネジャーの勉強会を始めて1~2年ほどたった頃、次の課題が見えてきました。部下や後輩たちからの相談が増え、主任ケアマネジャーとしてのやりがいも感じ始めた時期だったのですが、そのうち“何かおかしい”と思うようになったのです。

スーパービジョンでは、人材育成のためにケアマネジャー自身が、自分の抱える問題と向き合い考える機会を作ることが大切と学習しました。しかし、部下や後輩たちの意識は、違っていました。「主任ケアマネジャーに相談したら、何とかしてくれるはず」と、自分の代わりに問題を解決してもらうために相談に来ていたのです。

地域の中で主任ケアマネジャーが担う役割を正しく知り、うまく活用してもらうことが次の課題でした。

この時期には外部講師を招き、スーパービジョンの基礎学習をケアマネジャー全員で行う機会を作りました。これらの取り組みにより、ケアマネジャーのスーパービジョン活用に対するモチベーションは、41%アップしました。このことから、主任ケアマネジャー自身の切磋琢磨と同時に、地域のケアマネジャー全体への働きかけも重要であると感じました。

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主任ケアマネジャーによる新人研修、困難事例を検討する支援会議も

さらに12年度からは、事業所の枠を超えた支援に乗り出しました。具体的には、研修会に参加してきた主任ケアマネを講師とした「新人ケアマネジャー研修」を実施。翌13年度にはケアマネが支援に困難を感じている事例を主任ケアマネジャーや多職種とともに検討する「ケアマネジメント支援会議」を立ち上げました。

「ケアマネジメント支援会議」は、利用者の自立支援につながるケアマネジメントの提供と、地域の課題を抽出することを目的としています。年間で40~50事例を検討していますが、その際のルールは次の通りです。

ケアマネジメント支援会議のルール
  • 時期尚早の助言・アドバイスはしない。
  • 非難・批判をしない。
  • 自分の考える解決法や推測がより現実に即していたとしても、それを事例提供者に押し付けない。
  • 情報が足りない部分は、検討者からの“質問”によって事例提供者へ問いかけていく。
  • “質問”によって、利用者と利用者が抱える問題、事例提供者のひっかかりなどが、事例提供者自身の言葉で語られるプロセスを大切にする。
  • 事例提供者に対して、クライアントへの相談援助面接と『同様の配慮』をする。

参考:渡部律子著『基礎から学ぶ気づきの事例検討会』中央法規出版

これは、スーパービジョンの要素を事例検討会に盛り込んだ気づきの事例検討会のルールを参考に作成しました。非難や批判をされない安心できる環境で、ケアマネジャー自らが、事例と自分自身が行った支援に向き合い、振り返る機会を大切にするためのルールです。

「新人ケアマネジャー研修」や「ケアマネジメント支援会議」は、人材育成や地域づくりに確実な成果をもたらしています。

例えば、「新人ケアマネジャー研修」では、受講者の97%が「他事業所の主任ケアマネジャーの意見が聴けたことで、職場内にとどまらない学びがあった」と、研修を評価してくれました。

「ケアマネジメント支援会議」では、再アセスメントやケアプランの修正といった指導を年間40~50件実施しています。さらに、この会議で検討した事例の44%が「地域との関りが困難」という要素を抱えていたことから、朝来市ケアマネジャー協会は、地域連携を目指した研究活動も開始しています。

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