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寄り添った栄養ケア実現のため、「薬局で栄養相談」を身近に

寄り添った栄養ケア実現のため、「薬局で栄養相談」を身近に
写真左から:五戸愛さん、中山真一さん、渡邉莉鹿子さん

管理栄養士・栄養士が所属し、栄養学に基づいた多彩なサービスを展開する「栄養ケア・ステーションは、ケアマネジャーとしてもぜひ注目したい存在です。栄養ケア・ステーション認定店舗である日本調剤郡山薬局(福島県郡山市)で働く管理栄養士の渡邉莉鹿子さん、社会福祉法人ほほえみ会スマイルケア指定居宅介護支援事業所(茨城県つくばみらい市)に所属するケアマネジャーの中山真一さん、株式会社クリニコの五戸愛さんに、それぞれの視点から栄養ケアについて語っていただきました。

※栄養ケア・ステーション:管理栄養士・栄養士が所属し、地域住民へ栄養ケアの支援・指導を提供する地域密着型の拠点として、公益社団法人日本栄養士会が認定するもの。栄養学に基づいたさまざまなサービスを提供している。

薬局ならではの特性を生かした栄養指導の窓口

中山:指定居宅介護支援事業所のケアマネジャーとして多くの利用者さんに関わってきましたが、低栄養のリスクについて、一般の方の認知度はまだまだ低いのが現状。利用者さんやご家族から栄養に関する相談があることはまれで、困り事を探っていくうちに「そういえば入れ歯が合わずかめていない」「同じ食事ばかり食べている」といった話が出てきます。管理栄養士のアドバイスが欲しい場面もあるのですが、実際に相談できる機会は少ないことが悩みです。

渡邉:そうしたとき、薬局がお力になれるかもしれません。もともと日本調剤は健康サポート機能に注力しており、健康イベントなどで栄養に関する情報発信をしたり、管理栄養士がいる店舗で処方箋なしでも栄養相談を承ったりしてきました。中でも、日本栄養士会から認定された28店舗は、日本調剤の認定栄養ケア・ステーションとして地域に根付いた栄養ケアの拠点といえる存在です。医療機関と連携した食事療法、健康づくりのための栄養相談、セミナーや栄養教室の企画・運営サポート、献立考案など、幅広いサービスで地域に貢献しています。

寄り添った栄養ケア実現のため、「薬局で栄養相談」を身近に

五戸:栄養補助食品や流動食の開発・販売を手がけてきたクリニコとしても、栄養ケア・ステーションは重要だと認識しています。本当に必要な方のもとに、必要なときに情報を届けるという点で、地域に開かれた薬局で気軽に栄養相談できることの意義は計り知れないと思います。

中山:栄養ケア・ステーションの存在は知っていましたが、薬局と結び付けてイメージしてはいませんでした。「信頼できるかかりつけ薬剤師を見つけるといいですよ」と利用者さんにアドバイスすることが多いですが、それと同じ感覚で、食で困っている方と管理栄養士をつなげていきたいです。もともと地域の方々と顔の見える関係が築けている薬局であれば、その人に合った栄養ケアも受けやすそうですね。

渡邉:確かに、体調変化や病状を含め、その方の背景を把握していることが実践的なアドバイスにつながると思います。訪問栄養相談では、さらにご自宅の環境なども加味した提案を意識しています。また、日本調剤の管理栄養士は地域連携への思いが強く、地域ケア会議へ積極的に参加したり、近隣の地域包括支援センターを定期的に訪問したりするケースもあります。そうした場面で直接、ケアマネジャーさんからお声掛けいただくことも多いです。

栄養補助食品が「続けられる栄養ケア」の要に

五戸:「薬局」と「栄養ケア」は、想像以上に親和性が高いとよく分かりました。日本調剤さんでは、クリニコの商品を患者さんに直送できるシステムを導入いただいていますよね。来局した患者さんが店舗で注文し、薬代などと一緒に支払いを済ませることで、栄養補助食品などがご自宅まで直送されるというサービスです。管理栄養士さんがいる店舗なら、栄養相談を通して自身にマッチする商品を選べますし、使用方法などのアドバイスも受けられるので心強いですね。

寄り添った栄養ケア実現のため、「薬局で栄養相談」を身近に

中山:クリニコの栄養補助食品といえば、クリミールに助けられた印象深い事例があります。ある利用者さん(90歳代、要介護1)が新型コロナウイルス感染症に罹患してしまい、治療後も食欲が戻らず、体重が3kgも落ちてしまいました。ほぼ寝たきり状態で点滴を受けるまでになり、ターミナルケアへの移行も検討されていたほどです。ところが、ある日サンプルの「すっきりクリミール」をお持ちしたところ、その場で1パック飲み切ってくれたので、ご家族も私も感動しきりでした。それが食欲回復のきっかけになり、今では毎日2パックを欠かさず飲み続け、歩行器で歩けるくらい元気になってきました。

「クリミール」について詳しくはこちら

渡邉:少量で高栄養、たんぱく質もしっかり摂れますから、食欲が落ちている高齢の方にはぴったりですね。味がおいしく、種類豊富なのもうれしいところです。私が勤務する郡山薬局では店頭にも「すっきりクリミール」を置いていますが、脂質が入っておらずジュース感覚で飲んでいただけるので、乳製品が苦手な方にもお勧めしやすいです。

中山:味のバリエーションが豊富なので、好き嫌いが多い方でも、どれかの味は気に入ってくださることが多いですね。別の利用者さん(80歳代、要介護3)のケースでは、加齢に伴い食事量が大きく減少していました。調理を工夫しても残してしまう状態が続き、ご家族は「また食べてもらえなかった……」と心労を重ねている様子でした。そこで、献立を少し減らしてクリミールを追加するようアドバイスしたところ、以前より栄養を摂れるようになり、ご家族も安心されたようです。

寄り添った栄養ケア実現のため、「薬局で栄養相談」を身近に

五戸:お役に立ててうれしいです! いつもの食習慣を大きく変えることなく、気軽に活用できる点がクリミールの特徴です。クリミール/すっきりクリミールで12種類の味があるので、「無理なく楽しく」を意識しながら取り入れていただければと思います。

渡邉:今回のお話を通して、本人に寄り添った栄養ケアの大切さを再認識しました。そして、栄養管理のプロとして、今後も地域に貢献していきたいと強く思いました。本日は、ありがとうございました。

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