結城教授の深掘り!介護保険
滞る要介護認定、だがAI活用は救世主にはなりえない!
- 2024/06/18 09:00 配信
- 結城教授の深掘り!介護保険
- 結城康博
要介護認定は、介護保険制度の根幹をなす仕組みだ。だが、申請件数の増加や専門職不足などで、認定が下りるまでの時間がかかり過ぎるという問題が起きている。こうした状況を踏まえ政府の規制改革推進会議は、「AIなどのテクノロジーを活用した要介護認定の迅速化、精度の向上」を提言した。今回は、この提言と要介護認定の現状について考えてみたい。
AI活用の効果は「やったほうがまし」な程度
厚生労働省の調査によると、要介護認定にかかる時間は2022年度の下半期で平均40.2日、法定の30日以内を大幅に上回っている状況だ(図参照)。
規制改革推進会議は、その期間を短縮するためAIの活用を提言している。具体的には、訪問調査の結果や主治医意見書などに基づいて行われる「二次判定」で、AIの活用を促進しようとしているようだ。
……
- 結城康博
- 1969年、北海道生まれ。淑徳大学社会福祉学部卒、法政大学大学院修了(経済学修士、政治学博士)。介護職やケアマネジャー、地域包括支援センター職員として介護系の仕事に10年間従事。現在、淑徳大学教授(社会保障論、社会福祉学)。社会福祉士や介護福祉士、ケアマネジャーの資格も持つ。著書に岩波ブックレット『介護職がいなくなる』など、その他著書多数がある。
スキルアップにつながる!おすすめ記事
このカテゴリの他の記事
こちらもおすすめ
ケアマネジメント・オンライン おすすめ情報
介護関連商品・サービスのご案内
ケアマネジメント・オンライン(CMO)とは
全国の現職ケアマネジャーの約半数が登録する、日本最大級のケアマネジャー向け専門情報サイトです。
ケアマネジメント・オンラインの特長
「介護保険最新情報」や「アセスメントシート」「重要事項説明書」など、ケアマネジャーの業務に直結した情報やツール、マニュアルなどを無料で提供しています。また、ケアマネジャーに関連するニュース記事や特集記事も無料で配信中。登録者同士が交流できる「掲示板」機能も充実。さらに介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネ試験)の過去問題と解答、解説も掲載しています。