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ケアマネジメント新時代の幕開けケアマネジメント新時代の幕開け

ケアマネジメント新時代の幕開け

24改正へつながる包括ケア構築に向けた仕組みが動きだした

2024年(令和6年)の制度改正・介護報酬改定に向けて、社会保障審議会介護保険部会が、制度の見直し案に当たる意見書を取りまとめました。私は毎回、YouTubeによるライブ配信を視聴しています。コロナ禍以前は会場に出向いて傍聴していましたので、少し様子が違いますが、ウェブでもよくわかり、ありがたいです。

この取りまとめを受け、厚生労働省は年明けの通常国会に介護保険法の改正案を提出します。衆参両院での審議を経て、改正法は来年5月末頃に成立、6月には公布される予定だと思います。

それでは、本題の2015年(平成27年)の制度改正・介護報酬改定について見ていきましょう。今回から2回にわたって、2015年、2018年(平成30年)、2021年(令和3年)の制度改正・介護報酬改定が目指した「地域包括ケアシステムの構築、深化・推進」のポイントを記し、次の2024年につなぎたいと思います。

「包括ケア構築」と「負担の公平化」がテーマ

2015年の制度改正・介護報酬改定に向け、前年6月に公布された改正法の正式名称は、「地域における医療介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」(2015年4月等施行)です。地域における医療・介護の総合的な確保を推進するため、医療法や介護保険法など、関係する法律がパッケージになっています。

この改正法には、2つの柱(大きなテーマ)があります。1つは「地域包括ケアシステムの構築」、そして2つ目は「費用負担の公平化」です。

これら2つのテーマは、「充実させる事項」と「重点化・効率化させる事項」という2つの視点によって、さらに区分けされています。「充実させる事項」は普及・推進が図られたり、国の予算がついたりします。これに対して、「重点化・効率化させる事項」は整理・統合や重点化・効率化の対象となります。

改正法によって、地域包括ケアシステムの構築に向けた具体的な体制や仕組みが整備されたのです。

図表1 厚労省の資料に岡島追記

待機者減の契機となった入所基準見直し

2015年の制度改正では、特別養護老人ホームの入所者を原則、要介護3以上とする要件の見直しがありました。当時、入所者の待機待ちが社会問題になっていました。

私は以前から、ある自治体の特養の入所検討委員会の委員をしていました。初めて委員になった時、その待機者数の多さに本当に驚きました。「100歳以上、要介護5」でも、待機している方が何十人といるのです。東京では、特養の入所に「ポイント制」を設けている自治体が多く、住居の有無、介護する同居家族の有無も点数に反映されます。

入所が原則要介護3以上になったことで、待機者は確実に減少しました。またこの時期、国が一億総活躍社会の実現に向けて「介護離職ゼロ」を掲げ、家族支援の一環で地域の特養が増えるきっかけをつくってくれたことは、大変ありがたいことでした。

法定研修も見直し 実務研修にOJT追加

介護報酬改定については、ケアマネジメントの関連を主として見ることにしましょう。

図表2 厚労省の資料をもとに岡島作成

この頃、ケアマネジャーにとってはもう一つ、大きな動きがありました。法定研修の内容が見直されたのです。

新たな研修制度は2016年度からスタート。※公示は2014年6月2日(主任介護支援専門員の更新研修は2015年2月12日)。見直しのポイントは、▽実務研修の充実(実務従事者基礎研修の統合で時間数が増え、現場実習も追加)▽主任介護支援専門員に更新研修創設▽研修修了時の修了評価の実施―の3つです。

中でも実務研修時の現場実習(OJT)は、私達が現場のケアマネジャーとして長年希望してきたことです。実習の受け入れは、特定事業所加算の算定要件にも追加されました。これは、特定事業所加算を取得している事業所への地域貢献を期待してのことだと理解しています。

図表3 厚労省の資料に岡島追記

主任介護支援専門員の更新研修の創設については、「また研修が増える」という声も聞こえてきましたが、私は「ぜひ必要だ」と考えていたので、ありがたく思いました。現在の主任介護支援専門員の地域における役割を考えると、適切な時期に価値あるものをつくっていただいたと、いまさらながら感心し、感謝しています。

私は当時、勤務地の自治体のケアマネジャーの会の代表をしていて、地域包括支援センターと共に、主任介護支援専門員の組織化を考えていました。主任ケアマネ全員の意見を集めるため、アンケート調査などを実施し、準備をしていたところでした。

改正法の内容は、まさに私達が地域で目指していたことです。行政にもサポートをお願いし、2015年10月19日に主任介護支援専門員連絡会を立ち上げ、設立総会を開催しました。以降、行政と医療と共に地域づくりに励んでいます。

今回は、2015年の制度改正・介護報酬改定について記しました。

この年の4月に施行された改正法は、2025年の地域包括ケアシステムの構築に向け、具体的な医療・介護の連携・協働等の体制や仕組みを整備することが主な目的でしたね。2024年から始まる第9期介護保険事業計画に向けたスタートの年でした。

日本の戦後復興を支えてきた団塊の世代が、2015年に全員65歳の前期高齢者となりました。65歳だと、まだまだ元気な方も多いですが、2025年にはそろって75歳の後期高齢者になります。後期高齢者になると、医療や介護を必要とする方が多くなります。それまでに何をすべきか?

国はこの7年半余りの間、「高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせる社会づくり、まちづくりを構築し深化させる」という大きなビジョンを掲げ、地域づくりに取り組んできたのです。

その後、地域包括ケアシステムの構築はかなり進み、最近では「地域包括ケアシステムの深化・推進」という言葉が使用されるまでになってきました。高齢者だけでなく、児童も障害者も生活困窮者も含め、「世代も属性も超えた地域づくり」として、制度・分野ごとの「縦割り」や「支え手」「受け手」という関係を越えた「地域共生社会」の実現を目指すようになったのです。

次回は、2018年と2021年の制度改正・介護報酬改定について解説します。いよいよ「新たな時代の幕開け」が近づいてきました。2024年へとつながる制度の動きを見ていきましょう。

岡島潤子
慶応義塾大学文学部卒業(社会学専攻)。1999年に介護支援専門員の資格を取得後、同年9月に株式会社やさしい手に入職。新宿区で居宅介護支援事業所の立ち上げなどに携わった後、2005年7月に同社初の居宅介護支援事業部を創設。現在は同社経営企画部の顧問として、総勢383人のケアマネジャーをスーパーバイズしている。厚労省をはじめとする国の委員会の委員のほか、日本ケアマネジメント学会の代議員や一般社団法人「東京ケアマネジャー実践塾」の理事長など、ケアマネの関連団体で多数の要職を務めている。主任介護支援専門員、社会福祉士。

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