「コミュ障」でもケアマネやってます!
「ヤバマネ」を見抜けず、振り回された件
- 2022/03/10 09:00 配信
- 「コミュ障」でもケアマネやってます!
- かずぴ
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さまざまな立場の人と連携が求められるケアマネジャーは、高いコミュニケーション能力が求められる立場でもあります。でも、どんなにコミュ力が高いと自負するケアマネさんでも、人と接するのがつらいと思う時はあるはず。実はコミュニケーションが苦手というかずぴさんが日々、利用者さんや他の専門職とのやり取りに四苦八苦しながらも、現場に立ち続けるための小さな工夫をユーモラスにつづります。
普通に接してくれる人をつい盲信…懐かれてしまったのは
コミュ障が災いし、出会った管理者を何度となく超キツイ「鬼」に変化させてきた私。そのせいか、普通に接してくれるケアマネジャーさんと出会うと、もう、それだけで「ああ、なんていい人だ!この人の言うことを聞いていればきっと大丈夫!」と、盲信してしまうこともしばしば。
その手の甘い思い込みのおかげで、ちょっと困った、ヤバめのケアマネさんに懐かれてしまったことがありました。
そのケアマネ・Aさんと出会ったのは、私が相談員として施設で働いていたころのことでした。
出会って早々、度肝を抜かれたのは、利用者にとって最初のサービス担当者会議だというのに、30分ほども遅刻をしてきたこと。しかも、この大遅刻にも一言の謝罪もありません。「新しい施設だったため、住所を入力してもナビゲーションシステムが反応しなかった!事務員の道案内もよくわかんなかったし!!」という、他責主義満載の言い訳はありましたが…。
幸い、その日の会議自体は大過なく終わりました。そのせいか、初対面の印象は「なんだか変わった人だなあ~。仕事はできそうだけど」程度でした。
その後、Aさんとは私が居宅ケアマネになっても、知り合い程度のつきあいを続けました。というか、常に強気のAさんを凄腕ケアマネと錯覚し、わからない事があったら聞いたり、難しい利用者さんをお願いしたりする事もありました。はぁ。今、思い返しても、まったく人を見る目のない私…。
「嫌がらせを受けた」「プランをいじられた!」-連日の電話をひたすら傾聴
そんな私でも、Aさんが別の居宅介護支援事業所に転職してから「あれれぇ??」と思うことが増えました。
転職したとたん、「新しい事業所で上司や同僚から嫌がらせを受けている!」という電話が、毎日のようにAさんからかかってくるようになったのです。そのイジメなるものの内容は「自分がいない間に自分のケアプランをいじられている!!」だとか。
それが本当なら、ちょっとひどい話です。でも、いろいろ忙しいケアマネが、他人が担当するケアプランを勝手にいじるでしょうか??話を聞いた当初から半信半疑でしたが、従来の気の弱さから無視できず真剣に話を聞きました。それこそ、毎日のように同じような「イジメられた」という話を、何十分も傾聴し続けたのです。おかげですっかり寝不足になってしまい、いつからかAさんから電話が、ちょっとした恐怖になっていました。
それでも慣れぬ環境で苦しむAさんを支えねばと思い、電話には必ず出て、対応していたのですが…。
強引さと傲慢さと虚言癖で解雇されたヤバマネ
なんとAさん、転職から数カ月後に解雇されてしまったのです。その情報を教えてくれたケアマネさんがいうには、あまりに強引かつ傲慢なAさんの仕事のやり方が、地域包括支援センターから家族、他事業所にまで不評を買い、嵐のような苦情が殺到した結果の解雇だったとのこと。
その話を聞いたとたん、「ちょっと待って、でも、Aさんは事業所内でいじめられていたって怒っていたけど?!」と、Aさんをかばった私。でも、そんな私の思いも、同僚の次の言葉で、一瞬で吹っ飛んでしまいました。
「ああ、あの人、虚言癖がすごいからねえ。その虚言癖も苦情を生んだ理由の一つらしいし」
どうやらイジメを受けていた事実は無く、すべてはAさんのウソと被害妄想だったようです。睡眠時間を削ってまで、まじめに傾聴していた私の苦労は一体、なんだったのでしょうか。
解雇されても我田引水…遅すぎた気づきに後悔!
解雇後、Aさんは就職活動を開始しましたが、ものの見事に10連敗。その途中、何度かかかってきた電話では、なかなか就職できない理由について「最近、ケアマネが増えているのかしら?」と、びっくりするほどにポジティブで我田引水な分析をなさっていました。いやいやいや。受験資格の厳格化以来、ケアマネは不足し始めてますがな。ちゃんとケアマネジメント・オンラインのニュースを読まんかい!
まあ、この頃になると、さすがの私も「この人はヤバいケアマネ=ヤバマネかも知れない!」と気づき(←遅すぎる!)彼女との交流を終わらせました。
さて、その後のAさんですが、なんとか就職はできたものの、やっぱり長続きはせず、転職を繰り返していると風の便りに聞きました。今は、どこで働いているのかは知りません。
ケアマネはある意味、強さやポジティブさがないと続かない過酷な仕事だと思いますが、行き過ぎた強さやポジティブさを持った人は周囲を巻き込む台風みたいになります。ただ、私のようなネガティブ人間は、そんな人が少しだけうらやましかったりもします。真似はしたくないですが。

- かずぴ
- 旦那さんと亀と、とある地方在住。お酒と映画と音楽をこよなく愛する50代。グループホームにて介護職と施設ケアマネを経験。その後、居宅ケアマネに。居宅ケアマネとしては6年目。
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