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「コミュ障」でもケアマネやってます!

断れない私が任された、とてつもないご利用者

さまざまな立場の人と連携が求められるケアマネジャーは、高いコミュニケーション能力が求められる立場でもあります。でも、どんなにコミュ力が高いと自負するケアマネさんでも、人と接するのがつらいと思う時はあるはず。実はコミュニケーションが苦手というかずぴさんが日々、利用者さんや他の専門職とのやり取りに四苦八苦しながらも、現場に立ち続けるための小さな工夫をユーモラスにつづります。

難しいご利用者を任された時…前を向くための「呪文」

コミュ障で弱気な私にとって、大きな悩みの一つが断れないこと。ベテランのケアマネジャーにかかると、そのあたりもあっさり見抜かれるようで、とっても対応が難しいご利用者を、うまーく任されてしまうことが、ままあります。

どう考えても自分では無理と思えるご利用者を「かずぴさんしか、いないのよ~。ね、お願い♡」などとおだてられて、もにゃもにゃと返事を濁しているうちに、面談の日まで決められしまう時の気持ちといったら…。いきなり巨大人型ロボットに「乗れ!」と言われたような気分ですよ。前を向くには、この「呪文」しかありません。

「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ…!!」

忘れられない、とてつもないご利用者

うまく任されてしまったご利用者の中でも、特に思い出深いのが、生活保護を受けていたCさんです。70代男性の要介護の方でした。

この方、高齢者施設に入居していましたが、施設側から退去勧告を受けていました。ちなみに退去勧告を受けた理由は次の通り。

  • 夜、部屋で喫煙。で、明らかに煙だらけなのに、夜勤者に「吸ってない」とシラを切る
  • 他のご利用者や職員への、ひんぱんな恫喝

その他、ワガママ伝説には事欠かないという…。

いやいやいや。そりゃ、私じゃ無理ですよ、そんなベテランさんでも手に負えないような方は!この時ばかりは、話を持ってきたベテランさんに、すぐに「無理です、無理!!」と泣きつきました。

が、さすがはベテランさん。あらかじめ交渉の難しさを予測していたのか、菓子折りという「必殺兵器」も携えていました。それこそ、大手百貨店でしかお目にかかれないような、でっかくて、高そうなやつを。そんなものを頂いてしまえば、いつまでも断り続けるわけにもいきません。逃げちゃダメだ、逃げちゃダメ…いや、それでも逃げてーよ!!

とりあえず、事務所に贈られた高級なお菓子をたっぷりと分捕って、自分を無理やり納得させました。

ワガママ放題の末に起こった「脱走事件」

さて、面談の初日。Cさんは次の施設への要望として、いきなりこんなことを言い出しました。

「少人数でさ、家庭的でさ、職員さんが優しい所がいいなぁ。デイサービスとかも俺、絶対に無理だし。行かなくても良い所を頼むね。それから、もちろん、飯はうまくないといけねえなあ。それから…」

アセスメントもなにも、とにかくひたすら要望ばかり。口をはさむ暇もありません。っていうか、そんな理想郷、あるはずがないでしょうが!

しょうがないので、次の入居先が決まるまでは、現在入居している施設に対応してもらうことにしました。しかし、その間に事件は起きてしまいました。

なんとCさん、夜間に施設を脱走したのです。幸い、巡回していた職員が見つけ、大ごとにはなりませんでしたが、本人は「近くのコンビニエンスストアまで、酒とタバコを買いに行っただけだ!」と悪びれる様子もありません。まったく!近所の住人が施設に泥棒が入ったと誤解し、通報する寸前だったというのに!!

その後、施設は即退去を求めてきました。で、とりあえず入居できる施設を探したのですが、生活保護ということもあり、どこに連絡しても良い返事はもらえません。

10カ所ほど連絡し、やっと受け入れ先が見つかりました。

でも、ほっとしたのもつかの間。入居から1カ月もたたないうちに、またまた退去勧告を受けてしまいました。この施設では、ちょっと気にいらないことがあるたびに役所の介護保険課や担当ケースワーカーに苦情の電話をかけまくっていたそうです。その挙句、管理者ともめてしまい、「こんな所、こっちが願い下げだ!出て行ってやる!!」と啖呵を切ったそうで…。

理想の入所先を見つけるも、あっさりと閉鎖…

ところが、その直後。ほとんど奇跡のように、Cさんが希望した通りの施設が見つかったのです!

少人数で家庭的、併設デイサービス利用の強制もなく、飯もうまい。しかも、Cさんが庭先で立ち小便しても、部屋で喫煙しても文句は言わないという優し過ぎるほどの施設でした。

ただ、奇跡は長くは続きませんでした。少人数の家庭的な施設だったのが仇となり、経営不振で閉鎖する事になったのでした…。オー、マイ、ガーッ!

(この後、Cさんを受け入れてくれる施設なんてあるのか??)

相変わらず、ワガママな要望ばかりを言い続けるCさんを抱え、途方に暮れる私。困ったことに、私が十分なコミュニケーションをとらず、ほとんど言いなりになっていたせいか、そのワガママには、さらに拍車がかかっていました…。

来月に続きます。

かずぴ
旦那さんと亀と、とある地方在住。お酒と映画と音楽をこよなく愛する50代。グループホームにて介護職と施設ケアマネを経験。その後、居宅ケアマネに。居宅ケアマネとしては6年目。

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