オンライン時代のコミュニケーション、ケアマネが知るべきこと、やるべきこと
この会議、リアルがよい?それともオンライン?
- 2021/12/23 09:00 配信
- オンライン時代のコミュニケーション、ケアマネが知るべきこと、やるべきこと
- 丸山法子
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今後も選択肢の一つであり続けるオンライン会議
新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着き、ケアマネジャーの皆様も対面での仕事に戻りつつあるようですね。確かに対面では対面でしか得られないものがあると実感します。ただ、次々と変異株が現れている上、第6波も気になります。もはや、感染対策はあたりまえ。オンライン会議は、今後も選択肢の一つとして使いこなしていきましょう。
そこで悩ましいのは「この会議、リアルがよい?それともオンライン?」という判断です。便利で手軽という効率性だけで、なんでもかんでもオンラインにしてしまうのも軽はずみかもしれません。今回はこの使い分けのポイントを確認してみましょう。
オンライン、参加者それぞれの立場でのメリット
対面で行う会議をオンラインにすると、どんなメリットがあるのかは、前回と前々回で、お伝えしてきました。参加するすべての人に共通するメリットは、「移動にかかる時間や交通費の削減」「事前に場所を確保する手間の解消」「会議の所要時間の削減」「どこからでも会話に参加できる便利さ」などがあります。
さらに会議に参加する人それぞれの立場から考えると、次のようなメリットがあります。
1.ケアマネジャー
いつも苦労する日程調整も、オンラインなら選択の幅が広がり、調整しやすくなります。また、会議の進行についても、ストレートに本題から入れる上、フラットに意見が言いやすく、発言も促しやすいといったメリットがあります。
2.介護・医療関係者
オンラインだと時間調整が簡単で会議に出席しやすいというメリットがあります。また、事務所からだと、必要な資料が手元にある上、調べ物や記録もしやすいという便利さも。さらに感染対策のため来訪を制限している医療機関や事業所の関係者も参加できるという良さもあります。
3.利用者や家族
自宅に大勢の人を招きたくないという利用者にとって、オンラインで会議に参加できることは最大のメリットです。会議に出席した様々な専門家に、自宅の様子や日常的な生活動作、習慣を画面越しに確認してもらうことができます。さらに遠方のご家族も同席してもらえることで、ケアの方針や具体的なサービス内容などを、より詳細に共有することができます。
このようにオンライン会議には、それぞれの参加者に、それぞれのメリットがあります。
ただし、オンラインにつながれない環境である場合や、あえて対面でなければならない理由があれば、リアル会議を実施しましょう。また、「いつもはオンライン、臨時でリアル」という使い分けも可能です。
オンラインか、リアルか…迷ったら「利用者のためかどうか」で判断を
とはいえ、会議への参加者が多ければ多いほど、オンラインかリアルかの判断は難しくなるでしょう。そういうときは「これは利用者のためになっているかどうか」で判断してください。例えば、先に述べたように、外出が難しい利用者や、大人数の来訪を嫌がる利用者であれば、オンライン会議の実施を積極的に検討しましょう。
「利用者宅からのオンライン会議」の注意点
続いて、利用者の自宅にケアマネが出向き、オンライン会議を行う際の注意点を紹介します。
まずは、ご自身が、ネット環境や端末操作のサポートができなければなりません。Wi-Fiルータやご自身のタブレット端末、電源タップやバッテリー、照明やマイク、スピーカー、その他タブレット端末を立てるスタンドなど、それぞれの操作やZoomなどアプリケーションの使い方を確認し、トラブルがあっても対処できるようにしておきましょう。
できれば会議の前に利用者の自宅を訪問し、通信状況を確認しておくとよいでしょう。Wi-Fiがつながらないときは、スマートフォンのテザリングで対応することも可能です。この場合、費用がかかることもあるので、事前に事業所に確認をしておく必要があります。
ケアマネ業務に理解を深めてもらうきっかけにも
利用者の自宅からオンラインで会議をすることは、ケアマネにとっても良いことがあります。会議後の雑談から、聞きもらしたことや感想が聞けるのはもちろんですが、実際の自宅での様子、ふだんの動作、動線を改めて確認することができます。
また、多忙でなかなか連絡が取れなかったり、遠方のため直接会う機会の少なかったりする家族に会議に出ていただくことは、介護への理解が深まり、協力も得やすくなります。実際、家族にとってケアマネの専門性をいちばん実感できたのは、担当者会議の場面だったと聞いたこともありました。
残念ながら、ケアマネの仕事の内容を正確に把握している人は、それほど多くはありません。「ケアマネって何する人?」という程度の認識の人もかなりいます。
もし、家族がケアマネの業務を十分に理解していないようなら、ぜひ担当者会議に出席してもらってください。ケアマネの業務や重要性はもちろん、各サービスの役割を把握してもらう上でも絶好の機会となります。

- 丸山法子
- 一般社団法人リエゾン地域福祉研究所 代表理事。人材育成、パーソナル・コーチングセッションなどの管理者研修、対人援助技術の勉強会、コミュニティづくりや地域福祉に関するセミナーなど年間100本以上の研修・セミナーを手掛ける。社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員、生涯学習開発財団認定マスターコーチ
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