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小濱道博の介護経営よもやま話小濱道博の介護経営よもやま話

小濱道博の介護経営よもやま話

激変の実地指導、動向と注意点

介護事業者の行政処分件数は、2013年度から5年連続で200件を超えたが、18年度と19年度は153件で、共に200件を下回った。

18年度は、居宅介護支援事業所の指定権限と指導・監督権限が、従来の都道府県から市町村に移譲され、これが減少の要因として考えられる。また19年度に関しては、コロナ禍の影響で20年2月以降、ほとんどの自治体が実地指導を中止もしくは延期しており、これが数字となって表れた格好だ。

実は、厚労省が19年5月29日付で出した通知「介護保険施設等に対する実地指導の標準化・効率化等の運用指針について」によって、実地指導の方向性そのものが激変している。

この通知は、実地指導の効率化で年間の指導件数を増やすことが主たる目的で、厚労省は、従来1日がかりだった現地での指導を半日に短縮し、1日に複数件の指導を行うよう求めた。これにより、現在は半日型の実施指導が全国的に増えている。

19年度に指定取り消し・停止処分となった介護サービスを見ると、訪問介護の33件がトップだが、居宅介護支援(15件)は2番目に多い。

介護事業者は、自らの法令知識の不足を、「役所の説明不足」として言い逃れることはできない。自己の責任において、最新の法令、基準、通知、Q&Aなどを入手し、確実に消化しなければならないが、この意識が低い事業者が多いのが実態だ。

ケアプラン作成上の注意点

万が一、行政処分を受けることがないよう、ここからは、ケアマネジャーが注意すべきポイントについて解説したい。

ケアプランに医療系サービスを位置付ける場合、サービスの利用に当たり、主治医の意見書が必要だ。意見書に医師の指示があれば、これをケアプランに反映しなればならない。また、その他の居宅サービスにおいても、主治医の留意事項がある場合、これを尊重したケアプランを作成する必要がある。

短期入所生活介護や短期入所療養介護をケアプランに位置付ける場合は、要介護認定の有効期間のおおむね半数を超えないようにするのが原則だ。例えば、有効期間が残り1 カ月の場合、約 15 日以内で設定する必要がある。もちろん、在宅生活を維持するために弾力的な運用も可能だ。本人の心身の状況や家族の意向によって、半数を超えて利用することもできる。

このほか、福祉用具貸与をケアプランに位置付ける場合は、利用の妥当性を検討し、サービスが必要な理由を記載しなければならない。継続して貸与する場合は、その理由を再びケアプランに記載する必要がある。

医療と連携する際の注意点

ケアマネは、利用者やその家族に対して、入院時に自身の氏名と連絡先を医療機関に伝えるよう、事前に協力を求めておく必要がある。介護保険被保険者証や健康保険被保険者証、お薬手帳などと一緒に、担当ケアマネである自身の連絡先を保管してもらうよう、日頃から依頼しておくことだ。

訪問介護のサービス提供責任者から得た利用者の口腔や服薬に関する情報のうち、医療者の助言が必要であるとケアマネが判断したものについては、主治医らに情報を提供しなければならない。情報の内容としては、以下のようなものが挙げられる。

  • 薬が大量に余っている、または複数回分の薬を一度に服用している
  • 薬の服用を拒絶している
  • 使い切らないうちに、新たに薬が処方されている
  • 口臭や口腔内出血がある
  • 体重の増減が推測される見た目の変化がある
  • 食事の量や回数に変化がある
  • 下痢や便秘が続いている
  • 皮膚の乾燥や湿疹などがある
  • リハビリが必要と思われる状態であるにもかかわらず、提供されていない

記録の“ローカルルール”も確認を

居宅介護支援事業所のケアマネは、ケアプランに位置付けたサービス事業者に対して、個別サービス計画の提出を求め、ケアプランとの連動性や整合性を確認しなければならない。双方の意識の共有を図るためだ。

サービス事業者が個別サービス計画を提出しなかった場合に備え、提出を依頼したことを業務日誌などに記録しておこう。

また、以下の記録については、完結した日(契約終了・解除及び施設への入所などで利用者へのサービス提供が終了した日)から 5 年間保存しなければならない。

  • a. 従業者の勤務の体制についての記録
  • b. 居宅介護サービス計画費の請求に関して、国保連に提出したものの写し

指定居宅介護支援サービスを利用者に提供した際の記録の保存期間は、5年間と2年間の2種類がある。ただし、自治体の条例によって年数が異なることがあるので、よく確認してほしい。

●5年間保存
  • a. 居宅サービス事業者との連絡調整に関する記録
  • b. 利用者ごとの居宅介護支援台帳
●2年間保存
  • a. 市町村への通知に係る記録
  • b. 苦情記録
  • c. 事故記録

従業員が勤務していたことを確認する際、勤務実績表が必要だが、毎月の業務が終了した時点で、月末までの勤務実績表を作成し、勤務予定表だけでなく、タイムカードや出勤簿と突き合わせて確認しよう。なお、勤務実績表には、次の内容を明確に記載しておくこと。

  • a. 勤務時間
  • b. 常勤・非常勤の別
  • c. 職種
  • d. 兼務の有無

さらに、次のような「正当な理由」がない限り、事業者はサービスの利用を断ることはできない。やむを得ず断る場合は、他の事業者の紹介などの対応を行う必要がある。

  • a. 現在の職員数では新たな利用者に対応できない(人数的・物理的に)
  • b. 申込者の住まいが運営規程上の事業の実施地域外
  • c. 利用者が他の居宅介護支援事業所にも申し込んでいる

利用者に特定の事業者のサービスを利用させる対価として、その事業者から金品その他の財産上の利益を収受してはならない。万が一受け取った場合は、重大な基準違反となり、指定取り消しなどの行政処分が直ちに検討される。

小濱道博
小濱介護経営事務所代表。北海道札幌市出身。全国で介護事業の経営支援、コンプライアンス支援を手掛ける。介護経営セミナーの講師実績は、北海道から沖縄まで全国で年間250件以上。個別相談、個別指導も全国で実施。全国の介護保険課、介護関連の各協会、社会福祉協議会、介護労働安定センター等主催の講演会での講師実績も多数。C-MAS介護事業経営研究会・最高顧問、CS-SR一般社団法人医療介護経営研究会専務理事なども兼ねる。

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