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小濱道博の介護経営よもやま話小濱道博の介護経営よもやま話

小濱道博の介護経営よもやま話

迫る改定、居宅介護支援以外のポイントまとめ

4月の介護報酬改定まで残り1カ月余り。来月には、改定後の運用ルールの解釈を示す厚生労働省の通知が出る見通しだ。今回は居宅介護支援以外で、ケアマネジャーにぜひ押さえてほしいポイントをまとめて解説したい。

広がる事業者格差、二極化がより顕著に

多くの施設や事業所が算定する加算に、サービス提供体制強化加算がある。今回の改定では、新たに上位区分が設けられるとともに、従来の下位区分が統合される。これに伴い、現行の加算IIの算定要件である「勤続3年以上の介護職が30%以上」は、「勤続7年以上の介護職が30%以上」に厳格化されるため、1回6単位の報酬を算定できなくなる施設や事業所が相当数出てくるだろう。

全体の改定率は0.7%のプラスだが、全ての事業者が一律に恩恵を受けられるわけではない。新設される上位区分の報酬を算定できる場合は増収につながるが、現状維持の場合は大幅な減収となる。事業者間の収入格差が広がり、二極化がより顕著になっていくだろう。

訪問介護の特定事業所加算にも、新たに加算(V)が設けられる。こちらの算定要件も、「勤続7年以上の職員が30%以上」で、加算(III)とのみ併算定可能だ。厚労省の審議会では、特定事業所加算を区分支給限度基準額(以下、限度額)の対象外とする案が浮上したが、最終的に見送られた。

自立支援がより鮮明に、データ提出の要件も

今回の改定では、自立支援の方向性がより鮮明となり、▽リハビリ・機能訓練▽口腔ケア▽栄養改善―の3つのケアに特に重点が置かれている。この見直しに伴い、PT、OT、STといったセラピスト、管理栄養士、歯科衛生士の役割が明確となり、特に管理栄養士の活躍の場が大きく広がる。

また、ケアの質を向上させるためのエビデンス(科学的な根拠)を構築する目的で、国の介護保険のデータベース(現「VISIT」「CHASE」。4月から「LIFE」に統一)へのデータの提供が、前述の3つのケアに関連する加算の上位区分の要件として位置付けられる。

新設の加算では、「LIFE」へのデータ提供が必須となっており、次回以降の改定で義務化される公算は大きいだろう。ただ、こうした「LIFE」関連の加算の単位数は、多くの場合、月20~40単位程度と決して高くないため、現場で普及が進むかどうかは不透明だ。

デイは基本報酬増も、実質マイナス?

デイサービスの基本報酬は、時間区分によっては7単位前後のプラスとなるが、これも一概には喜べない。

入浴介助加算には、上位区分の加算(II)が新設される。これは、リハビリ型の事業所のための加算で、自宅での入浴の際の自立を図ることが目的だ。セラピストや介護福祉士が居宅を訪問し、浴室のアセスメントを実施した上で、個別入浴計画を作成し、居宅に近い環境でリハビリを提供することで55単位算定できる。

加算(II)の創設に伴い、現行の加算は加算(I)となり、報酬は50単位から40単位に下がる。現行の加算を算定している事業所は、たとえ基本報酬が上がっても、これだけで実質3単位のマイナスになるというわけだ。

さらに、個別機能訓練加算は事実上、従来の加算(I)が廃止となり、3区分に再編される。これに伴い、集団体操などでは算定できなくなり、機能訓練指導員による直接の個別訓練もしくは5人以下の小集団で機能訓練を実施することが求められる。

リハビリ型などでは現在、加算(I)と加算(II)を併算定している事業所がある。今回の改定では、機能訓練指導員を2人以上配置すれば、85単位算定できるようになるが、現行の併算定の報酬は102単位のため、17単位の減収となってしまう。「LIFE」にデータを提供し、事業所内でそれを活用すれば、20単位上乗せできるものの、それでも3単位の増収にとどまる。

自立支援を促すデイサービスの加算の見直しはまだある。栄養改善加算については、管理栄養士が居宅を訪問する要件が新たに加わることで、報酬は50単位増える。また、生活機能向上連携加算は2区分となり、ビデオ通話で外部のセラピストから助言を受けた場合に算定できる加算(I)が新設される。

さらにADL維持等加算については、加算(I)と加算(II)で共に単位数が10倍に引き上げとなり、要件も緩和される。ただ、「LIFE」へのデータの提出とその活用が必須となる点に注意が必要だ。

一方、限度額については、有料老人ホームに併設されているなど、集合住宅減算などの対象となる場合は、訪問介護と同様に減算適用前の単位数で計算する方式に変わる。

さらに、大規模型Iまたは大規模型IIを算定している事業所については、利用者との公平性の観点から、通常規模型の単位数に置き換えて限度額を計算する方式に改まる。同一建物減算の対象で、限度額の利用割合が高い利用者の場合、最大で同一建物減算10%相当分が限度超過となり、サービス量を減らすことを余儀なくされるだろう。

通院等乗降介助が改善、デイの送迎も緩和

訪問介護に関しては、前述した特定事業所加算(V)に加え、認知症専門ケア加算も新設。生活機能向上連携加算については、サービス提供責任者が外部のセラピストに同行訪問して助言を受けるとする要件が緩和され、サービス担当者会議の開始前または終了後に助言を受けても算定できるようになる。

さらに、ヘルパーの頻回な訪問が必要な看取り期に限り、サービスを提供する間隔が2時間未満の場合、それぞれの提供時間を合算した区分で算定する「2時間ルール」の適用から外れる。

このほか、通院等乗降介助については、同一の事業所が介助を行うことを条件に、2カ所の病院を回る場合、1カ所目の後に自宅に戻らないで、そのまま2カ所目に向かうことができるようになる。

デイサービス終了後に病院へ行く場合も、デイサービスの事業所が利用者を自宅へ送る業務を省いて、ヘルパーが直接利用者を迎えに行くことが可能となる。この場合、デイサービスの送迎は往路のみのため、片道分の送迎減算が適用される点に注意してほしい。

小濱道博
小濱介護経営事務所代表。北海道札幌市出身。全国で介護事業の経営支援、コンプライアンス支援を手掛ける。介護経営セミナーの講師実績は、北海道から沖縄まで全国で年間250件以上。個別相談、個別指導も全国で実施。全国の介護保険課、介護関連の各協会、社会福祉協議会、介護労働安定センター等主催の講演会での講師実績も多数。C-MAS介護事業経営研究会・最高顧問、CS-SR一般社団法人医療介護経営研究会専務理事なども兼ねる。

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