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小濱道博の介護経営よもやま話小濱道博の介護経営よもやま話

小濱道博の介護経営よもやま話

特定事業所加算の新区分、連携発展で将来の統合も?

社会保障審議会は1月18日、2021年度の介護報酬改定案をまとめ、田村憲久厚生労働大臣に答申した。

居宅介護支援については、特定事業所加算の区分が大きく変わっている点に注目したい。現行の区分(IV)が「特定事業所医療介護連携加算」として独立する一方、区分(III)の下に「区分(A)」が新設された。

区分(III)は、主任ケアマネジャー1人以上と常勤のケアマネ2人以上の配置が必要だが、区分(A)は、主任ケアマネ1人以上の配置は変わらないものの、常勤のケアマネ2人以上の配置については、常勤1人以上と非常勤1人以上の配置に緩和される。非常勤のケアマネは、他の事業所との兼務も可能だ。

また、区分(A)を算定する居宅介護支援事業所は、現行の以下の4つの要件について、他の事業所との連携で満たすことを認める。これは主に、非常勤のケアマネが兼務する居宅介護支援事業所との連携を想定しているのであろう。

  1. 24時間連絡体制を確保し、かつ、必要に応じて利用者等の相談に対応する体制を確保していること
  2. 当該指定居宅介護支援事業所における介護支援専門員に対し、計画的に研修を実施していること
  3. 介護支援専門員実務研修における科目「ケアマネジメントの基礎技術に関する実習」等に協力又は協力体制を確保していること
  4. 他の法人が運営する指定居宅介護支援事業者と共同で事例検討会、研修会等を実施していること

現行の居宅介護支援の介護報酬体系では、特定事業所加算を算定しない限り、事業所の経営は安定せず、未算定の事業所は、どう頑張っても赤字は避けられない。

今回、現行の区分(I)~(III)はいずれも単位数が引き上げとなる。区分(A)の単位数は月100単位と、事業所の経営を安定させるほどではないが、区分(III)へ移行するまでのステップとしては評価できる。他の事業所との連携が発展すれば、将来的な統合も視野に入るであろう。

<4月以降の新たな単位数>

  • 特定事業所加算(I) 月505単位(現在の単位数より5単位増)
  • 特定事業所加算(II) 月407単位(同7単位増)
  • 特定事業所加算(III) 月309単位(同9単位増)
  • 特定事業所加算(A) 月100単位 ※新設

保険外サービスのプラン位置付けが要件に

区分(I)~(A)の共通の算定要件として、「必要に応じて、多様な主体等が提供する生活支援サービス(インフォーマルサービス含む)が包括的に提供されるような居宅サービス計画を作成していること」が新たに加わった。

インフォーマルサービス、すなわち保険外サービスのケアプランへの位置付けの推進は、以前から論点として挙がっており、2018年度の介護報酬改定の審議においても、保険外サービスの加算などが検討された経緯がある。

現行制度では、保険外サービスのケアプランへの位置付けは、担当するケアマネの裁量に任されているが、近年の規制緩和によって、介護保険サービスの提供時間中に保険外サービスを行ったり、介護保険サービスの提供後に続けて保険外サービスを実施したりする、いわゆる「混合介護」の活用が進んでいる実態もある。

厚労省が2018年9月28日付で出した通知(「介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供する場合の取扱いについて」)によって、主にデイサービスの規制が緩和。それまで「理美容」のみだったサービス提供時間中の保険外サービスとして、「簡易健康診断」と「予防注射」が新たに加わり、病院の職員にデイサービスに出向いてもらい、利用者がインフルエンザなどの予防接種を受けることが可能となった。

また、介護保険サービスの提供時間内の通院や買い物での“中抜け”も認められ、デイサービスのスタッフが利用者に付き添って外出した場合は、同行のための費用も別途請求できるようになった。厚労省の通知では、買物代行サービスの提供についても明記され、実施する際の基本的なルールも整理されている。

さらに、通所系サービスで禁止されていた物販も可能となり、近くのスーパーマーケットの移動販売車に立ち寄ってもらい、利用者が必要な日用品を購入することも認められた。

一方、東京都豊島区では、混合介護を「選択的介護」と呼び、特区の中で訪問介護と通所介護に関する試験的な運用を行っている。混合介護を提供する場合、ケアプラン上で管理しないと、ケアの整合性が取りにくいため、豊島区の選択的介護においても、ケアプランへの位置付けが必須となっている。

プラス改定も、事業運営は厳しく…

今回の改定率はプラス0.7%で、2期連続のプラス改定と言われている。しかし、このうち0.05%分は新型コロナ対策のための特例措置で、今年4~9月の半年間に限り、全サービスの基本報酬が0.1%分上乗せとなる。つまり、実質0.65%のプラスとなるわけだが、近年の介護職の人件費の高騰を勘案すると、これに見合う報酬の引き上げとは言えず、介護事業者は依然として厳しい運営を強いられるだろう。

介護報酬改定の審議は終了したが、実務面の詳細は今後、厚労省が発出するQ&Aを待たなければならない。感染症対策や業務継続計画(BCP)の作成、虐待防止対策の義務化など、居宅介護支援事業所の実務の負担も増えるため、改正の内容をしっかりと把握した上で、入念な準備を進める必要があるだろう。

小濱道博
小濱介護経営事務所代表。北海道札幌市出身。全国で介護事業の経営支援、コンプライアンス支援を手掛ける。介護経営セミナーの講師実績は、北海道から沖縄まで全国で年間250件以上。個別相談、個別指導も全国で実施。全国の介護保険課、介護関連の各協会、社会福祉協議会、介護労働安定センター等主催の講演会での講師実績も多数。C-MAS介護事業経営研究会・最高顧問、CS-SR一般社団法人医療介護経営研究会専務理事なども兼ねる。

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