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小濱道博の介護経営よもやま話

新型でデイ休業が拡大…ケアマネはどう立ち向かう?

新型コロナウイルスについては、終息の糸口が見えずに感染が広がる報道ばかりが目立ち、その状況は今も続いている。担当する利用者の身を案じ、不安を感じている読者の方も多いと思う。デイサービス事業所が休止になると、利用者への説明や代替サービスの確保など、たくさんの仕事がケアマネジャーに降ってくる。この困難にどう立ち向かうべきなのか―。今回は、厚生労働省の通知から考えてみたい。

※編注 記事は3月17日時点の情報に基づいています

1. 行政側からの休業要請とその影響

名古屋市は3月6日、市内の2つの区域にある126のデイサービス事業所に2週間の休業を要請。その4日後、今度は千葉県市川市のデイサービスの利用者が感染し、県と市は、市内の約140事業所に対して、感染拡大を見据えたサービスの縮小などを検討するよう通知した。

それ以外の地域でも、感染拡大に伴い、子供の休校で欠勤する職員が目立ったことなどから、自主的に休止する事業所も出ている。いずれの場合も、結果的に担当するケアマネジャーの負担増となることは明らかだ。

さらに1月29日以降、新型コロナウイルス関連の通知が頻出し、3月10日時点で30本と膨大な数に上っている。中身がかなり重複する通知も多く、これを時系列で読み込んで理解するためには、相当な時間と気力を要する。

その中で、厚労省のスタンスが明確に示された通知がある。2月28日付で出された「介護保険最新情報Vol.774」だ。

そこには、「社会福祉施設等が提供する各種サービスは、利用者の方々やその家族の生活を継続する上で欠かせないものだから、十分な感染防止対策を前提として、利用者に必要な各種サービスが継続的に提供されることが重要である」と記されている。この考え方を大前提に、これからの対応策を決めることが大切だ。

では、ケアマネに直接関連する通知を見ていこう。

2. ケアマネの加算関連の通知

◎新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて(令和2年2月17日)

(10)居宅介護支援
① 介護支援専門員が担当する件数が40件を超えた場合
被災地や被災地から避難者を受け入れた場合について、介護支援専門員が、やむを得ず一時的に40件を超える利用者を担当することになった場合においては、40件を超える部分について、居宅介護支援費の減額を行わないことが可能である。

② 利用者の居宅を訪問できない場合
被災による交通手段の寸断等により、利用者の居宅を訪問できない等、やむを得ず一時的に基準による運用が困難な場合は、居宅介護支援費の減額を行わないことが可能である。

③ 特定事業所集中減算
被災地において、ケアプラン上のサービスを位置付ける上で、訪問介護事業所の閉鎖などにより、やむを得ず一時的に特定の事業所にサービスが集中せざるを得ない場合、減算を適用しない取扱いが可能である。

これは、昨年秋に出た事務連絡「令和元年度台風第19号に伴う災害における介護報酬等の取扱いについて」を転用したものだ。事業所の休止や非常時の措置に伴い、40件を超える利用者を受け入れても、居宅介護支援費の減額は行わず、一時的に特定の事業所にサービスが偏っても、集中減算の対象外とする方針が示されている。

3. サービス担当者会議関連の通知

◎新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて(第3報、令和2年2月28日)

問9 居宅介護支援のサービス担当者会議について、どのような取扱いが可能か。
感染拡大防止の観点から、やむを得ない理由がある場合については、利用者の自宅以外での開催や電話・メールなどを活用するなどにより、柔軟に対応することが可能である。なお、利用者の状態に大きな変化が見られない等、居宅サービス計画の変更内容が軽微であると認められる場合はサービス担当者会議の開催は不要である。

なお、この通知に関連して、月1回のモニタリング訪問についても、居宅に行く必要があるかとの質問を多く受ける。この通知の基本的な考え方として、「利用者の自宅以外」の対応が認められるのは、数人の参加者が見込まれる会議だ。これは、運営推進会議なども同じ規定である。

これに対して、モニタリング訪問は基本的に少人数である上、ヘルパーらが居宅を訪問する状況が継続する中、モニタリング訪問だけを除外することは考えられない。また、モニタリング訪問の役割の一つが、利用者の生活状況の確認であることから、原則は適用外となる。

先の事務連絡(令和2年2月17日)で示された通り、交通網の寸断で居宅を訪問できないなど、やむを得ない事情で一時的に基準による運用が困難な場合は、運営基準減算の対象とはならないが、感染の恐れがあるという理由だけで、モニタリングを取りやめることはできない点に注意してほしい。

4. 事業所の休止関連の通知

◎新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて(第4報、令和2年3月6日)

問7 通所介護等の利用が出来なくなった発熱等の症状のある利用者に対する訪問介護の提供増加や職員の発熱等により、人員基準上の必要な資格を持った人員が確保出来ない場合、基準違反となるのか。

(答)基本的には、介護支援専門員が調整のうえ、有資格者を派遣する事のできる訪問介護事業所からサービス提供されることが望ましいが、令和2年2月17 日付事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて」別添1(7)で示しているとおり、指定等基準を満たすことが出来なくなった場合であっても、それが一時的なものであり、かつ利用者の処遇に配慮したものであれば、柔軟な対応をして差し支えないものであり、その際、訪問介護員の資格のない者であっても、他の事業所等で高齢者へのサービス提供に従事した事がある者であり、利用者へのサービス提供に支障がないと認められる者であれば、訪問介護員として従事することとして差し支えない。

この通知では、デイサービスが利用できなくなった場合、担当するケアマネは、訪問介護サービスに切り替え、ヘルパー資格を有する職員を派遣するよう努める一方、やむを得ない場合は、他の事業所などで働いた経験があれば、資格を持たない職員がヘルパーとして働いても「差し支えない」としている。

デイサービスの職員が居宅を訪問し、清拭による介助を行った場合、デイサービスとして介護報酬を算定し、入浴介助加算を算定できる。

問11 居宅介護支援のモニタリングについて、感染拡大防止の観点から、令和2年2月17日付事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて」において示されたとおり、利用者の事情等により、利用者の居宅を訪問できない等、やむを得ない理由がある場合については、月1回以上の実施ができない場合についても、柔軟な取扱いが可能か。

(答)可能である。

先述した通り、感染が拡大しているという理由だけでは、モニタリングを取りやめることはできないと考えるべきだが、利用者やケアマネの家族から感染者が出た場合などは、柔軟な取り扱いは可能だろう。隔離されることになれば、そもそも訪問すらできない。この場合、それぞれのケースによって事情が異なるため、役所に事前確認を行うべきだ。

◎介護サービス事業所に休業を要請する際の留意点について(令和2年3月6日)

2 利用者への丁寧な説明
休業する事業所や居宅介護支援事業所は、保健所と連携し、利用者に対し休業の事実や代替サービスの確保等について丁寧な説明を行うこと。

3 代替サービスの確保
利用者に必要なサービスが提供されるよう、居宅介護支援事業所を中心に、休業している事業所からの訪問サービス等の適切な代替サービスの検討を行い、関係事業所と連携しつつ適切なサービス提供を確保すること。

冒頭で述べたように、名古屋市の一部の地区のデイサービス事業所は、すでに休業要請を受けている。また、感染拡大が続く中、自主的に休止している事業所も増えているようだ。

休業要請を受けた事業所の中には、デイサービスの職員が訪問介護を行うことへの抵抗から、近隣のデイサービス事業所に利用者を移すケースもあるようだ。厚労省も、休止となった事業所とは別の事業所や公民館などを利用してサービスを継続することを容認している。

いずれにせよ、利用者への説明や代替サービスの確保は、ケアマネに委ねられている。行政の指示で、地域全体が休業の対象となるなど、最悪のシナリオを想定した対策を事前に検討しておかなければならないだろう。実際、その状況に向けて動き出している居宅介護支援事業所も多い。

5. ケアマネのリスク管理

今回は、居宅介護支援の通知に限定したが、他の在宅サービスに関する通知も併せて理解し、適切なケアマネジメントを行う必要がある。また、毎朝必ず熱を測り、訪問先でその都度、37度5分未満の熱であることを知らせることも、エチケットとして大切だ。

新型コロナウイルスに感染した場合、高齢者の致死率が高くなることは事実だが、過剰な対応は必要ない。介護事業所や施設を営業する限り、職員や利用者が感染する危険性は常に付きまとう。介護事業者におけるリスク管理とは、自らの事業所や施設から感染者を出さないことではなく、感染者を出さない期間をできるだけ長くし、被害を最小限にとどめるよう努めることだ。

行政の指示に従う限り、責任は国が取ってくれる。仮に行政の指示で休止になっても、補償金は出る。しっかりとリスク管理を行った上で、地域のライフラインの一つとして、可能な限り、サービス提供を継続できる体制を維持することが重要だ。行政が「休止」と言えば休止し、指示されたことは守り、それ以外の部分は、従来通りの営業を続けるという基本スタンスを守り通してほしい。

そもそも、自治体の休止要請に従う義務があるかという点については、下記の通知を示して、この稿を終えたい。

◎介護保険最新情報Vol.765(令和2年2月21日)
都道府県等が行う休業要請には法的根拠はないが、感染症のまん延防止を図るという観点から、都道府県等の判断で要請するものである。また、社会福祉施設等は、休業要請に従う義務はないが、同様の観点から必要な場合には休業を行っていただくようお願いしたい。

小濱道博
小濱介護経営事務所代表。北海道札幌市出身。全国で介護事業の経営支援、コンプライアンス支援を手掛ける。介護経営セミナーの講師実績は、北海道から沖縄まで全国で年間250件以上。個別相談、個別指導も全国で実施。全国の介護保険課、介護関連の各協会、社会福祉協議会、介護労働安定センター等主催の講演会での講師実績も多数。C-MAS介護事業経営研究会・最高顧問、CS-SR一般社団法人医療介護経営研究会専務理事なども兼ねる。

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