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現場レポート

多職種間で「入浴」をテーマに意見交換 多職種間グループワークに行ってきました

2月25日に、大田区の介護支援ネットワーク運営委員会の主催で、「ケアプランにおける入浴サービスの位置づけ ~多職種間で考えるグループワーク」が開催されました。職種を超えて意見交換する機会は、なかなか行われないのが現実。大田区でも初の試みです。どのような議論が交わされたのか、そして、その成果は?

多職種間の連携と課題の共有が目的

一人の利用者の介護に関わる専門職の人たちは全員でひとつのチームです。しかし、実際は、ホームヘルパー、訪問看護師、デイサービス、訪問入浴、ケアマネジャーなど、複数の専門職が一人の利用者の情報を横断的に交換し、共有し、ともによりよいケアを考えるというチームケア体制は築かれていないのが現状です。

先ごろ大田区で開催された「ケアプランにおける入浴サービスの位置づけ ~多職種間で考えるグループワーク」は、職種を超えて集まり意見交換するという意義深い催しでした。

さらに画期的なのは、テーマに入浴サービスを取り上げながらも、一般的な困難事例検討会ではないという点。問題の解決を目的にはしていないのです。大田区介護支援ネットワーク運営委員会代表で大田区地域包括支援センター徳持所長の阿部晃久さんに、今回の催しの目的についてお聞きしました。

「医療・福祉の垣根を越えて、忌憚のない意見交換をすることで、多職種間で連携し利用者の課題を共有する体制づくりをするのが目的です。現場に根付かせるには、定期的に繰り返し実施していく必要があると思いますね」。何度も集まりを重ねていく中で、多職種間で共有できるスタンダードな基準が生まれることを期待しているそうです。

困難事例はディスカッションのツール

この催しを企画したのは、大田区介護支援専門員連絡会、大田区訪問介護事業者連絡会、大田区通所介護事業者連絡会、大田区訪問看護ステーション連絡会の4団体の有志。参加は予約制だったため、参加人数を事前に6分割。6つのグループになるように机が配置され、特定の職種がひとつのグループに偏らないように配慮されていました。

最初に主催者側から、今回の集まりは「多職種間の連携と利用者の課題の共有」が目的であること。入浴の困難事例は、あくまでディスカッションのツールとして活用してほしいとの趣旨説明がありました。ツールとなる困難事例は4つ。1グループにつき2つの事例について、1時間半にわたって意見交換を行い、その後、グループごとに発表を行います。

4つの困難事例はすでに書面で配布済みだったため、すぐにディスカッションがスタートしました。CMOもひとつのグループに入りディスカッションに参加しました。どのグループでも活発に意見交換が行われ、自分が参加しているグループのメンバーの発言も、耳をそばだてないと聞こえないほどの熱気です。

職種によって異なる見解が明らかに

CMOが参加したグループで検討した入浴の困難事例のひとつは、【高血圧のため、デイサービスでは入浴を中止している(看護師がおらず判断できないため)。しかし、利用者は毎回入浴したいと希望している】というもの。課題は高血圧の利用者の入浴の可否についてです。

デイサービス職員は、「血圧は高め安定だから大丈夫と家族から言われている場合は、頻繁に血圧を測りなから入浴してもらっている」。一方ケアマネジャーは、「血圧が200を超える利用者の場合は、医師から指示書をもらっている。医師のOKがなければ入浴させない」。看護師のいるデイサービスでは、「看護師が血圧を測って判断している。数値によってはシャワー浴にすることもある」。ホームヘルパーは、「利用者の様子を見て体温を測ることはあっても、入浴前の血圧測定は、まずしていない。入浴するかどうかはヘルパーの判断に委ねられている」。訪問入浴のスタッフは「必ず看護師も同行し血圧を測って判断している」という具合に、見解・判断の職種ごとの違いがどんどん明らかになっていきます。

二つ目の困難事例は、【着替え、入浴は自分でできるが、促さないとやらない。重い病気も抱えている。デイサービスは拒否しているので、ヘルパーに入浴を促してほしい】というもの。

この事例について意見交換する中で、ヘルパーとケアマネジャーの相互理解ができていないことが判明していきます。ヘルパーは、入浴の見守りについての疑問を発言。「生活援助で入浴を促すこともあるが、これは、ときどき様子を見に行くという見守りであるため、調理や掃除中など見ていないときに事故が起きる可能性があり不安だ」。それに対してケアマネジャーは「ひとり暮らしの利用者に対しては、安全のために、ヘルパーがサービスに入っているときに入浴するように伝えてきたが、これはヘルパーにとって重荷だったことに、今、気付かされた」と語り、ヘルパーに謝る場面も。異なる職種間でも、本音で語り合えば理解しあえるという好例として印象に残りました。

多職種間の連携への第一歩に

今回の催しについて参加者に感想を聞いたところ、通所介護事業者は、「連携の必要性について、職種を超えて共通認識を持つことができ有意義だった」。ケアマネジャーは、いつもの事例検討会にはないフランクさを評価。「お互いに本音で語り合えたと思う。違う職種でも遠慮しないで意見を言える関係を築いていきたい。今日、そのスタートラインに立った」と顔を輝かせて語ってくれました。訪問介護事業者からは「それぞれの職種の悩みをみんなで共有すると、ケアマネージメントを考えるうえで視野が広がるのではないか」という提言が。

今回の催しは初の試みで、多職種間の連携に向けて第一歩を踏み出したばかり。しかし、参加者の介護に対する熱い思いとともに、多職種間の相互理解が確実に深まったことが伝わってきました。他の地域でも、ぜひ取り組んでほしい試みです。

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