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現場レポート

口腔機能向上加算実習に行ってきました(1)楽しい口腔ケア 口腔機能の向上が全身の健康に

口腔ケアの重要性は、介護の現場でも年々、高まっています。 高齢者の方にとって、食事は最も関心の高いことの一つであるばかりでなく、誤嚥性肺炎など高齢者の死因となる疾患が、口腔ケアによって予防できることがわかってきたからです。つまり、口腔内を清潔に保つこと、口腔機能を保つことは生活の質に直結し、全身の健康につながるのです。 今回は、デイサービスの現場で、日本医歯薬専門学校歯科衛生士科3年生による口腔ケア実習におじゃましました。

楽しみながらのゲーム、体操で口腔機能を鍛える!

口腔機能向上加算実習に行ってきました

長谷川介護サービス株式会社が運営するイリーゼ西大泉デイサービスセンター(練馬区)は、早くから口腔機能向上加算を算定し、利用者の口腔ケアに力を入れてきました。現在では8割以上の利用者が口腔機能向上加算を算定し、確実に成果をあげています。そのため、専門学校生の実習なども積極的に受け入れる環境が整っています。

口腔機能向上加算実習に行ってきました

この日は4回実施される実習の3回目。歯科衛生士の山田あつみさんが見守るなか、4人の学生が2つに分かれたテーブルに、2種類の手作りのゲームを展開していきます。

まず、くるくると丸まった紙が伸びたり元に戻ったりする「吹き戻し」を使って準備運動のあと、一つのテーブルには、手作りの福笑い。まゆげ、目、鼻、口とばらばらになったパーツを、一つずつストローを使って吸い上げて、おかめの顔の輪郭が描かれた画用紙に落とし、顔を完成させる遊びです。

もう一つは、ストローサッカーPK戦。画用紙の奥にゴールキーパーの川島選手が待ち構えるサッカーゴールがあり、ボールを転がしてゴールに入れます。もちろん、手で転がすわけではありません。ストローを吹いてサッカーボールに見立てたピンポン玉を押してゴールに入れます。この2つのゲームで、吸う、吐くという両方の口腔機能を鍛え、同時に口唇閉鎖力もつけているのです。

口腔機能向上加算実習に行ってきました

4、5人に1つの間隔で置かれたゲームを、実習生に手本を見せてもらったり、応援してもらったりしながら、交互に行います。ゴールが決まるとパチパチと拍手が起こり、ゲームをしていた利用者さんからは、「おもしろいね」と嬉しそうな笑顔がこぼれます。

続いて、ホワイトボードを使って、昼食前の口腔機能運動です。「噛むことはなぜ、いいのか?」という解説を聴いた後、実際に皆で口の働きを良くする体操を行います。

口腔機能向上加算実習に行ってきました

若い学生の元気のよい掛け声につられるように、首肩のストレッチや手足の運動、グー・チョキ・パーを顔で行うじゃんけん、歌に合わせて舌を鳴らすなど、さまざまな運動をテンポのよい進行のもとに次々こなしていきます。

体操は、人差し指を立てて息を吹きかける練習(息ほそめ呼吸法)、首肩のストレッチ、両手を前に出したり引いたりしながら行うグーパー体操、グー・チョキ・パーを顔で行う顔じゃんけん、口の中が潤う唾液腺マッサージ、そして「幸せなら手をたたこう」の替え歌など。替え歌では、手を叩く、足を鳴らすほか、舌も鳴らします。実習生のテンポのよい進行のもと、利用者さんたちは、昼食の直前に口や舌を動かすことで、十分に唾液を出します。

体操が終わったら食事の時間。十分に口を動かしたあとだけに、皆さん、よくだ液が出て、しっかり噛むことができています。これこそが、口腔ケアの重要な役割の一つだと、山田さんは言います。

食事中も、実習生の皆さんは、食べる姿勢は適切か、むせている人はいないか、よく噛めているかなど、利用者さんを気遣いながら観察しています。これまでの実習で顔なじみになった、孫のような年齢の女性たちに、利用者さんの顔もほころびます。

食事が終わると、順番にハミガキを行います。実習生が一人ずつついて、洗面台の前で歯の磨き方のアドバイスも行います。イリーゼ西大泉デイサービスセンターでは、利用者全員が自分の歯ブラシや義歯専用ブラシ、舌ブラシも用意し、普段から使っています。

入れ歯の人は、外させてもらい、入れ歯のケア方法も指導していました。「こちらでは普段から、介護職の方主導で口腔ケアをやっていらっしゃるそうで、口の中を見せることを嫌がる方もいらっしゃいませんでした」と、実習生。こうした取組みが功を奏し、同センターではここ数年、肺炎になったり噛む機能が衰え、栄養障害になられる利用者さんはゼロだといいます。

口腔機能向上加算とは?

口腔ケアの重要性が高まっているなか、「一般の歯科医院だけではなく、介護施設などで高齢者を対象に口腔ケアを提供できる歯科衛生士が増えてほしい」という想いから、この口腔機能向上加算実習を始めた山田さん。

口腔機能の向上は、運動器の機能向上、栄養改善、閉じこもり予防・支援、認知症予防・支援、うつ予防・支援とともに、「介護予防サービス」の一つとして取り上げられています。平成21年度の介護報酬改定では、さらに評価が高まり、従来の「100単位/月」から、「150単位/月」((認知症対応型)通所介護・通所リハビリテーションの場合は月2回限度)に上がりました。

口腔機能向上サービスを提供するための条件は、下記の通りです。

言語聴覚士、歯科衛生士、看護職員のいずれか1名以上配置
上記専門職と介護職員などが、アセスメントをもとにケアプランを作成
利用者らに対する説明と同意
計画に基づく、専門職によるサービス提供と定期的な記録の作成

利用を開始する際は、口腔衛生、摂食・嚥下機能に関するリスクを把握し、それを踏まえて、歯科衛生士などの専門職が、利用者一人ひとりに対して解決すべき課題を把握して事前アセスメントを行い、ケアプランを作成します。

利用者の同意が得られない、利用者の自己負担額が上がるといった理由から、口腔機能向上サービスの提供はまだまだ普及していません。しかし、サービスを提供しているところでは、確実に良い効果が得られているようです。

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