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新人ケアマネも必読!実地指導入門新人ケアマネも必読!実地指導入門

新人ケアマネも必読!実地指導入門

制度改正後、実地指導はどう動いたのか

昨年4月の介護保険制度改正では、訪問介護の生活援助サービスに上限回数が設けられました。厚生労働省は、同年10月9日付で通知を発出。上限回数を超えるケアプランを作成した場合、ケアマネジャーが出席する地域ケア会議でのチェックポイントなどを明らかにしましたが、これは、上限回数の超過の有無にかかわらず、全てのケアマネジャーにとって必読の重要な通知となっています。

今回は、制度改正後の実地指導の傾向と、この通知のポイントを中心に解説します。

1. 昨年度は減少傾向、今後は増加も

昨年度の制度改正以降、実地指導の方向性が大きく変わることはなく、重大な行政処分が行われたなどの事例は聞こえてきません。この1年間、居宅介護支援においては、実地指導の実施件数は減少傾向にあったようです。

その大きな要因として、昨年4月から、居宅介護支援の許認可の窓口が都道府県から市町村に移譲された影響が大きいと言えます。これに伴って、実地指導も市町村主体で実施されることになりましたが、その市町村の実地指導の件数が伸びていないのです。

実は、2012年度の制度改正の際も同じ現象が起こりました。この時は、実地指導の権限が都道府県から主要都市に移譲されたのですが、同年度の行政処分の件数は120件と、前年度から大きく減少しています。これは移譲先の自治体において、実地指導の経験やノウハウが少ないこと、そして、都道府県からの引き継ぎなどで時間を要したことなどに起因しています。

実際、翌13年度の行政処分件数は218件にまで一気に増加し、それ以降、200件を下回ることはありません。居宅介護支援においても今年度以降、実地指導件数は急激に増加すると考えるべきです。

さらに、厚生労働省が今年5月30日付で発出した通知「介護保険施設等に対する実地指導の標準化・効率化等の運用指針」によって、これからは半日型の実地指導が増えるとともに、1日に複数の実地指導が行われることで、全体の件数も増加することは間違いありません。

居宅介護支援事業所のコンプライアンス対策は、これからが正念場となります。

2. 「和光市方式」を導入する自治体が拡大

昨年度、実地指導について大きな動きはありませんでしたが、地域ケア会議でのケアプラン点検を重視することで介護保険からの“卒業”をうたい、自立支援中心の地域包括ケアシステムの構築を目指す、いわゆる「和光市方式」を導入する自治体が目立つようになりました。

「和光市方式」では、毎週定期的に地域ケア会議が開催されており、新たにケアプランを作成したケアマネジャーは、ここでケアプラン点検を受けることになります。お世話中心で、過剰な生活介護等をケアプランに位置付けた場合は、地域ケア会議で理由を説明しなければなりません。

地域ケア会議で理解を得られなかった場合は、その利用者の残された機能の回復・維持を目的とした、機能訓練中心のケアプランへの修正が指導されます。地域ケア会議での審議を効率的に進めるため、提出するケアプランや関連書類については、統一した様式の使用が求められ、記載する項目やポイントも指示されます。

既に大分県や埼玉県など、県全体での導入を進める地域も出ています。国が推進する自立支援介護と財政インセンティブの強化によって、今後、導入する自治体はさらに拡大するでしょう。「和光市方式」は、国が推奨する優良事例の代表格と言えます。

3. 生活援助に上限、手引きは全ケアマネ必読

昨年10月から、訪問介護の生活援助サービスで上限回数制が始まりました。これに合わせて、厚労省は同月9日付で、「多職種による自立に向けたケアプランに係る議論の手引き」を発出。実質、「和光市方式」を念頭に置いた内容と言えるこの通知は、上限回数を超えたケアプランを地域ケア会議で審議する際の指針となっています。

強制力は無いまでも、ケアプランなど各様式例の提示と、その項目ごとのチェックポイントが示されています。今後は、通常の実地指導やケアプラン点検などにおいても、ここで示された記載事例やチェックポイントが標準となり、ケアプラン作成などの指導も、通知に基づいて行われます。これは、上限回数を超えていないケアプランも例外ではありません。ゆえに、全てのケアマネジャーが確認すべき重要な通知と言えるのです。

4. ケアプラン審議、地域ケア会議での注意点

ここからは、この通知の確認作業を行っていきます。生活援助サービスの上限回数を超えたケアプランは、利用者に説明して同意を得た上で、翌月末までに所轄の役所に提出することが義務化されました。提出されたケアプランは、地域ケア会議でその正当性が審議されることになり、その結果、サービス回数が過剰と判断された場合は、担当のケアマネジャーに対して、ケアプランの是正が指導されます。

地域ケア会議には、上限回数を超えるケアプランを作成したケアマネジャーが出席します。会議のメンバーは、役所などの担当者のほか、行政の依頼を受けた各分野の専門職で、一般的に数十人の専門職が参加します。

通知で示された事例によると、ケアマネジャーはまず、上限回数を超えた理由、利用者の現状、今後の方向性などを説明します。これに対して、各メンバーからの質問、その後の意見交換を経て、ケアプランの内容についてのアドバイスを受けます。

地域ケア会議を開く主な目的は、利用者のQOLの向上です。これを低下させる過剰なサービスについては指導され、改善を求められます。実質的には、ADL、IADLの向上に主眼が置かれることが多いようです。ケアマネジャーは必要にして十分な資料を作成し、地域ケア会議に臨むことが求められます。

5. 帳票のチェックポイント、日頃から意識を

地域ケア会議での審議の際は、▽基本情報▽課題分析シート▽課題整理総括表▽ケアプラン第1~4表▽訪問介護計画書▽主治医意見書―などの提出が求められます。通知では、それぞれの帳票のチェックポイントが明記され、ケアマネジャーは日常の帳票の作成段階から、それらのポイントを意識した書類作成が必要になったのです。

訪問介護計画書は従来、ケアプランに位置付けられた介護サービス事業者に対して、個別サービス計画の控えの提出を求めることが努力目標となっていましたが、実質的に必須となりました。ケアマネジャーは、事業者が提出した個別サービス計画の内容を確認し、目標設定などに問題がある場合は改善を求める必要があり、それを怠ると、ケアマネジャーが代わりに地域ケア会議で指導されます。

6. 上限超えを容認する3つの理由とは?

通知の後半は、5つの上限回数の超過事例が記載されています。この事例を読み込んでいくと、上限回数の超過を容認する基準があることが分かります。

各事例に共通する容認された超過理由は、①独居などで利用者に身近な支援者がいない②利用者に認知症状がある③その双方の状況にある―ことです。それ以外の理由で、地域ケア会議での承認を受けるためには、多くの時間と労力を要することが想像できます。

通知は76ページにわたる膨大なものですが、これまでご説明した通り、とても重要な資料でもあります。臆することなく、精読されることをお勧めします。

通知のダウンロード先はこちら

小濱道博
小濱介護経営事務所代表。北海道札幌市出身。全国で介護事業の経営支援、コンプライアンス支援を手掛ける。介護経営セミナーの講師実績は、北海道から沖縄まで全国で年間250件以上。個別相談、個別指導も全国で実施。全国の介護保険課、介護関連の各協会、社会福祉協議会、介護労働安定センター等主催の講演会での講師実績も多数。C-MAS介護事業経営研究会・最高顧問、CS-SR一般社団法人医療介護経営研究会専務理事なども兼ねる。

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