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医療基礎知識

脳卒中のリスク要因と予防について

脳卒中のリスク要因

脳卒中を引き起こす各リスク要因は前回ご紹介しましたが、今回は各項目について再度整理しその理由と予防方法をお伝えします。
脳卒中のリスク要因としては、大きく以下のようなものがあります。

リスクとなる脳卒中の病態
アテローム ラクナ梗塞 心原性 脳溢血 くも膜下出血
生活の改善で軽減できないもの
遺伝的要素(家族歴)
性別 男性 男性 女性
加齢
生活の改善で軽減できるもの
高血圧症
糖尿病
脂質異常症(高脂血症)
喫煙
不規則・不摂生な生活や心身への負荷
生活の改善で軽減できないもの

遺伝的要素(家族歴)

遺伝的な影響を特に気にすべき疾患は「くも膜下出血」です。祖父母までの家族にくも膜下出血になった人がいる方は、くも膜下出血になる可能性が通常よりも高いことを注意しておく必要があります。
家族歴自体は防ぎようのないものではありますが、くも膜下出血の要因にはその他にもアルコール多飲や喫煙、高血圧症がありますので、そちらを留意してケアすることが重要です。

また、高血圧症自体も家族歴の要素が大きい項目と言われています。高血圧になった結果、他のタイプの脳卒中を引き起こす可能性もあるので合わせて注意が必要です。

ポイント
親兄弟、祖父母にくも膜下出血経験者がいる場合は要注意!

性別

性別

様々な研究の結果、それぞれの脳卒中タイプでよりかかりやすい性別があることが判明しています。
「心原性脳塞栓症」「脳溢血」は男性の方が発症しやすく「くも膜下出血」は女性の方が発症しやすいようです。
JACC研究では、男性に比べくも膜下出血の年間死亡率は女性で1.3倍という結果がでています。
男性に多い上記2つのタイプで事前に予防できる要素としては生活習慣病とアルコール多飲、喫煙及び過労やストレスなどがあげられます。

また、女性に多いくも膜下出血は前述の通りアルコール多飲と喫煙、高血圧症が要因となるのでその点をしっかりとフォローすることが重要です。

ポイント
男女ともに生活習慣病(特に女性は高血圧!)とアルコール多飲、喫煙に対する注意が必要!

加齢

加齢

加齢は、全ての脳卒中の要因となります。その理由は、血管自体が歳とともに脆くなるためです。
徐々に身体的機能が弱まっていくことは防ぎようがありませんが、酷使することで痛むのが早くなるのはその他の部位と変わりませんので、血管の負荷となる生活習慣の改善が重要となることは変わりません。

生活の改善で軽減できるもの
高血圧症

高血圧症

高血圧症は血管への血の圧力が増して負荷をかけるものなので、当然ながらすべての脳卒中のリスクを高める要因となります。
くも膜下出血では、高血圧の人は正常値の人に比べ死亡率が男性で3.0倍、女性で2.7倍(JACC研究)でした。
また、高血圧症を有する人は無症候性脳梗塞(ラクナ梗塞)リスクが3.47倍に増加する(久山町研究)ということも判明しています。
高血圧症は、家族歴の影響もあることが研究結果から判明していますが、生活習慣の改善などで予防できる余地も大きいことが特徴として挙げられます。
高血圧症の治療は第一に生活習慣の改善、第二に内服薬による治療で如何に維持するかが重要です。

また、高血圧は「白衣高血圧」という医師を前にした緊張などで医療機関での測定値が高くでることもあれば、「逆白衣高血圧(仮面高血圧)」という医療機関での測定時は低く出るような高血圧症もあります。特に逆白衣高血圧の場合は医師でも一見問題がないように捉えてしまうことがあるため、重大な問題に繋がることもあります。
家庭内血圧を測定し、しっかりと把握していることが重要です。

ポイント
高血圧症のポイントはまず第一に生活習慣の改善!
医療機関での検査値では正常でも危ういケースもある。家庭内血圧の測定を!

糖尿病

糖尿病

糖尿病は特に「アテローム血栓性脳梗塞」「ラクナ梗塞」「心原性脳梗塞」及び「脳溢血」となる可能性を高める疾患です。
糖尿病がリスクを高める要因として大きいのは動脈硬化を早めることです。
糖尿病を管理するうえで注視すべき数値は、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)と空腹時血糖随時血糖です。
HbA1cは検査時前後の食事で値が変わらないため、最近1,2か月の血糖値をきちんと把握できる数値です。
脳梗塞の発症リスクは糖尿病を罹患した場合、男性で3倍、女性で2倍(久山町研究)とされています。
またJPHC研究では、血糖値に応じ対象を3群に分けて分析した結果として右表のような結果が得られています。
(正常型:空腹時血糖値100mg/dL未満、随時血糖値140mg/dL未満、境界型:空腹時血糖値100~125mg/dL、随時血糖値140~199mg/dL、糖尿病群は空腹時血糖値126mg/dL以上、随時血糖値200mg/dL以上、あるいは糖尿病治療中の者)
糖尿病の予防には栄養管理と運動が最も重要ですが、一度なってしまった後はしっかりとした服薬管理で症状の進展を防ぐことが肝要です。
特に高齢者では、服薬忘れやインスリンの注射忘れの可能性も高くなってきます。
また別の問題として、間違って規定量以上の服薬、注射を行ってしまった場合には低血糖により命に係わる場合もあります。

ポイント
糖尿病予防、進展防止の第一は栄養管理と運動!
HbA1cと空腹時血糖、随時血糖に注意を!

脂質異常症(高脂血症)

脂質異常症に関連する検査値は総コレステロール値、HDL(善玉)コレステロール値、LDL(悪玉)コレステロール値などがありますが、JACC研究では、総コレステロール値が160mg未満でBMI18.5未満の場合は「脳出血(脳溢血)」のリスクが高まるとされています。
また、同研究で総コレステロール値が280mg/dl以上では脳梗塞になりやすいということも判明しています。
久山町研究では、LDL(悪玉)コレステロール値が150mg/dlを超えると脳梗塞の発症率が高くなることも示されています。
LDLコレステロールは粥状硬化(アテローム硬化)をもたらすため、「アテローム血栓性脳梗塞」を引き起こします。
加えて動脈硬化も進展させるため「ラクナ梗塞」のリスクも高まります。
HDL(善玉)コレステロール値が低い(40mg/dl)の場合も動脈硬化が進展するため注意が必要です。

脂質異常症の予防と進展防止も、糖尿病と同様に栄養管理と運動が重要となります。
脂質異常症になってしまった場合には、薬物療法としてスタチン系薬剤の服用が効果があるとされています。

ポイント
脂質異常症予防、進展防止の第一も栄養管理と運動!
総コレステロール値、LDLコレステロール値の高さとHDLコレステロール値の低さに注意を!

喫煙

喫煙

喫煙

喫煙は血管を収縮させてしまい血圧をあげます。また、LDLコレステロールを増やす働きもあるので脂質異常にも作用し動脈硬化を促進します。
また、心臓にも負荷をかけ不整脈のリスクが高まることも知られています。
喫煙は多面的に脳卒中のリスクを高めるため、全ての脳卒中タイプに影響します。
喫煙者は非喫煙者に比べ、男性で1.3倍、女性で2.0倍脳卒中になりやすいと、日本人を対象としたJPHC研究から判明しています。
同研究からは更に「くも膜下出血」と喫煙の影響が分析されており、男性では3.6倍、女性で2.7倍リスクが増加することが分かりました。
「ラクナ梗塞」のような細い血管の脳梗塞や「アテローム血栓性脳梗塞」「心原性脳塞栓症」などのような太い血管の脳梗塞も、特に男性においては2.2倍リスクが高まることも示されています。

ポイント
喫煙は、本数にかかわらず高リスクにつながるため即中止を!
本数が増えるごとにリスクも高まるため、本数の減少も重要!

不規則・不摂生な生活や心身への負荷

適度な飲酒は逆に高血圧者の脳梗塞発症率を減少されることが、久山町研究から判明しています。(日本酒換算で1日1.5合未満)。
但し、過度の飲酒は脳梗塞リスクを高めます。日本酒換算で1日2.5合以上を飲む人は、脳梗塞リスクが1.64倍になるとされています。
一方で、脳出血のリスクは少量でも飲酒をする人の方が脳卒中リスクが高くなるという結果がでており、多量飲酒の場合は2.18倍になることが研究結果から明らかになっています。

また、心原性脳卒中は心房細動が主なリスク要因となっていますが、心房細動(心臓への負荷により、心房が正しく拍動しない)の原因はストレスや睡眠時間の乱れ、過労などが大きく影響します。
同じ環境にいても、ストレスを実感していない人の方が心房細動になるリスクも低いとされており、メンタルケアが重要となります。

ポイント
不規則・不摂生な生活による心房細動リスクは、致死率の高い心原性脳梗塞を引き起こす可能性が高い!
生活習慣の見直しとともに、メンタルケアが重要!

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