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医療基礎知識

脳卒中の種類と原因

脳卒中の分類

脳卒中には大きく分けて、脳の血管が詰まる「脳梗塞」と脳の血管が切れる「脳出血」があります。
脳梗塞には血管が狭くなる「脳血栓」と血管が別の物質で詰まる「脳塞栓」があります。
また脳梗塞は成り立ちのパターンから、大きく「アテローム血栓性脳梗塞」「ラクナ梗塞」「心原性脳塞栓」の3つに分類されます。
その他に、一時的に脳虚血(脳に回る血が不足する)状態となり発作的な情報をもたらす一過性脳虚血発作があります。

脳卒中は再発のリスクも高いため、一度脳卒中を起こした利用者様も含め継続的な観察が必要です。

分類図

脳梗塞の分類
アテローム血栓性脳梗塞

アテローム血栓性脳梗塞イメージ

脂質やカルシウムなどを含んだ細胞や細胞の死骸(アテローム)が塊となって動脈の壁に入り込んでしまうことで動脈硬化が起き(アテローム動脈硬化とも言います)、 血が流れられる幅が縮まり脳梗塞が起きる状態を指します。太い動脈に起こるものであるため、重症化する場合が多い疾患です。
塊は徐々に大きくなっていき、剥がれ落ちて血管を流れることで血管を詰まらせることもあります。
また徐々に血流が減っていくことから、脳梗塞が発症する前に一過性脳虚血発作(TIA)という症状が発生することも多いです。
因みに初めてTIAが出てから1か月以内が最も脳梗塞が起こりやすいといわれていて、特に最近の研究ではTIA発症後48時間以内に脳梗塞を発症する例が多いとされています。そのため初めてTIAが出たというときは、入院して精密検査を実施し速やかに治療を行うことが必要とされています。

症状
一時的に「片側の」目が見えなくなったり、「片側の」顔面や手足の感覚・機能がなくなったり、麻痺したりします。またそのほかにも皮膚感覚の麻痺、言語障害、意識障害、失語、めまい、吐き気・嘔吐、嚥下障害などが生じます。
要因となるもの
喫煙、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧などが塊を作る要因となります。

ポイント
片側に症状が起きる場合が多い!
徐々に進行するものの大きな動脈を塞ぐため重症化する可能性が高い!
TIAは医師も非常に重視している初期兆候!見落とさず、すぐ病院へ!

ラクナ梗塞

ラクナ梗塞イメージ

高血圧で血管に対する圧力があがると血管が傷つきます。傷付いた血管は自己修復し硬く、もろく、そして厚くなります(動脈硬化)。そのことにより、特に「穿通枝」という脳にある細い血管が詰まるのがラクナ梗塞です。
小さな梗塞であるため、脳梗塞の中では最も症状は軽症です。また、きわめて病巣が小さい梗塞では、自覚症状がまったくありません。これは「無症候性脳梗塞(隠れ脳梗塞)」と呼ばれています。
また、ラクナ梗塞が脳の複数個所に発生し、少しずつ症状が進行していく場合は「多発性脳梗塞」と呼ばれます。病状が進行し複数個所で血管が詰まると、認知症の原因にもなります。

症状
手足や顔面のしびれ、軽い麻痺(マヒ)、歩行障害、言語障害、嚥下障害などがみられることが多いです。認知症の原因となることもあります。また、意識障害はあまりありません。
要因となるもの
高血圧を始めとした脂質異常症(高脂血症)や糖尿病などの生活習慣病と、加齢、喫煙などが原因となります。

ポイント
症状は比較的軽度で意識が途切れることもあまりない(無症候の場合もある)ため気づきにくい!
多発性脳梗塞は認知症のリスクにもなる!
生活習慣病が主原因。また細い動脈の壁が血圧に負けることで起きるため、加齢も大きな要因となる!

この疾患にかかった著名人・・・西城秀樹さん(歌手)、桜井和寿さん(歌手:Mr.Children)

心原性脳塞栓

心原性脳塞栓イメージ

脳の血管における問題ではなく、心臓など他のところでできた血栓(塊)が流れてきて脳で詰まることで発症します。脳で徐々に進行するわけではないので突然起こり、症状も急激に強く襲ってきます。また、複数個所に塞栓(血管に蓋がされてしまう)が起きることも少なくありません。血流が正常な状態で急に血管が塞がれるため、詰まった部分が壊れて再度血流が再開すると、今度は圧力が強すぎ血管を壊し出血をもたらすことも多いです。
原因としては心臓で血栓が作られ流れてくることが最も多く、その原因は不整脈(心房 細動)が中心となります。
心房細動は気づかない場合も多く注意が必要です。

症状
突然、手足の麻痺(マヒ)、感覚障害、意識障害などが一気に起こります。
要因となるもの
心原性脳塞栓の原因となる場合が多い心房細動は加齢、高血圧のほかに飲酒や喫煙、過労、ストレス、暴飲暴食、睡眠不足などの不規則な生活等により発症リスクが高まります。

ポイント
原因が脳以外から流れてくるため、突然起きる!強い痛みを伴う場合も多い!
詰まった部分が壊れて再度血流が再開する際に、圧力が強すぎ血管を破って出血することもある!
心房細動が主要な原因。規則的な生活が重要ですが加齢も要因となるので意識して!

この疾患にかかった著名人・・・ 長嶋茂雄さん(元読売巨人軍監督)、イビチャ・オシムさん(元サッカー日本代表監督)

一過性脳虚血発作(TIA)

一過性という名前の通り、一時的に脳の血流量が足りなくなることで発生し短時間(1時間以内)で症状が消える発作です。
アテローム血栓性脳梗塞の項でも示したように、脳梗塞を予測する症状となっています。
現在の脳卒中治療でも、重要な予測因子として医師も非常に重視しています。
また、TIAが疑われた場合に脳梗塞の進展を予測する方法にABCDD(またはABCD2)スコアという確認方法があります。

ABCDD(ABCD2)スコア
項目 基準 得点
A(age:年齢) 60歳以上 1点
B(blood pressure:
血圧)
収縮期(最高)血圧≧140mmHgまたは拡張期(最低)血圧≧90mmHg 1点
C(crinical features:
臨床的特徴)
片側脱力 2点
脱力を伴わない言語障害 1点
D(duration of symptoms:症状の長さ) 60分以上 2点
10分以上60分未満 1点
D(diabetes:糖尿病) 糖尿病あり 1点

TIA発症後2日以内での上記のスコアの合計点により脳梗塞リスクの比率は以下のように分類されます。

3点以下 1.0%
5点以下 4.1%
6点以下 8.1%

3点以上であれば、念のため医師に相談しましょう。

脳出血の分類

脳出血イメージ

脳出血は脳の近辺の血管が破れて出血する疾患です。出血する血管が脳の中にあるものを「脳出血」といい、脳の表面にある大きな血管にコブが生じくも膜の下に出血するものを「くも膜下出血」といいます。

脳出血

脳出血または脳溢血ともいわれ、高血圧によるものとそれ以外(動脈硬化や外傷など)によるものがあります。脳の内側の血管が破れることで、致死率も非常に高く再発リスクも高い疾患です。
また血管から漏れた血液が血腫となり脳を圧迫すると、その部分の脳が壊死し麻痺などの症状をもたらすことがあります。

症状
めまい、頭痛、行動障害(立って歩けない)、気分が悪い、嘔吐などの症状があります。
要因となるもの
高血圧を始めとした脂質異常症(高脂血症)や糖尿病などの生活習慣病と、加齢、喫煙などが原因となります。

ポイント
見受けられる症状はめまい、頭痛、気分が悪い、嘔吐などであるが、致死率が高い!
再発リスクも高い!
高血圧が最も危険な要因で、加齢(血管が弱くなる)や喫煙なども原因となる!

この疾患にかかった著名人・・・橋本真也さん(プロレスラー)、赤塚不二夫さん(漫画家)

くも膜下出血(SAH)

くも膜下出血イメージ

くも膜下出血(SAH)は脳を覆う3枚の膜の2枚目(くも膜)と3枚目の間に出血が起き、その結果脳脊髄液中に血液が入り込んだものをさします。突然死のリスクが高く、また再発しやすいという特徴があります。
原因としては脳動脈瘤破裂が大半で、運動したり怒ったり興奮したりというきっかけで脳の血圧が上がると破裂します。

症状
突然強く持続的な頭痛(数日間)が生じます。嘔吐を伴う場合もあります。痛みは「金属バット、ハンマーで殴られたような」と表現されることもありますが、もっと弱い場合もあるので注意が必要です。また、脳梗塞の諸症状と比べ麻痺などが出ない場合が多いことも特徴です。
要因となるもの
喫煙、高血圧、長らくアルコールを多飲していることなどでリスクが高まります。また隔世遺伝という性質があり、祖父母にくも膜下出血の方がいる場合は要注意です。

ポイント
突然死の比率が高く、再発もしやすい!
非常に強い痛みを伴う場合が多いが、麻痺などの症状が出ないことも多い!
家族にくも膜下出血を起こした方がいらっしゃる場合はリスクが高い!

この疾患にかかった著名人・・・木村拓也さん(元読売巨人軍コーチ)、KCOさん(歌手:globe)

脳卒中の重症度基準
NIHSSスコア

脳卒中の重症度を測る基準として、1989年に開発され以後広く世界中で利用されているものにNIHSSスコアがあります。(National Institute of Health Stroke Scale)
このスコアでは、以下の項目毎に基準を定義しています。最大42点、点数が高いほど重症度も高くなるように設定されています。

評価項目
意識の評価 目の開閉、手の開閉などの簡単な動作を命じ、認識して実施できるかを評価する。
注視の評価 水平方向への眼球の動きに問題がないかを評価する。
視野の評価 正面に座り、左右に指を立て動かしてみてその反応を評価する。
顔面麻痺の評価 顔を動かしてもらい麻痺状況を評価する。
四肢麻痺の評価 動作の指示、パントマイムなどで麻痺状況を評価する。
運動失調の評価 1肢(片腕あるいは片足)毎の運動機能を評価する。
感覚障害の評価 体の複数個所に触れて感覚を評価する。
失語 流腸性、理解力で判断する。文章カードや絵カードをもちいることもある。
構音障害 言語の明瞭性を評価する。
消去現象と注意障害 別の作業を行わせている中で、障害のあった脳の反対側を刺激してその認識を評価する。

NIHSSスコアは、rt-PA静注療法という脳梗塞の治療法を実施したあと24時間は改善度合いを測るため15分~1時間に1度確認していくするよう管理指針がでている位に一般的なものとして根付いています。

但しNIHSSスコアは特にケア等に関連する部分ともなるADLレベルにあった基準とはいえないため、mRS(modified Rankin Scale)という基準が合わせて利用されています。

mRS
mRS 程度 内容
0 全く症候がない 自覚、他覚所見なし
1 症候はあっても明らかな障害はない 日常の務めや活動は行える
2 軽度の障害 発症以前の活動を全て行えるわけではないが身の回りのことは自立
3 中等度の障害 何らかの介助を必要とするが歩行や食事は自立している
4 中等度から重度の障害 歩行、着衣、食事に介助は必要であるが持続的な介助は必要ではない
5 重度の障害 常に誰かの介助が必要である
6 死亡 -

mRSは在宅医療を行っている医師でも経過観察に注視している基準であり、国内での同基準を用いた研究も積極的に行われている一般的なものとなっています。

脳卒中かと思ったら?(簡易診断)

脳卒中の疑いを感じたら、簡易的に確かめる方法としてシンシナティー病院が作成した「前脳卒中スケール」というものがあります。

顔面神経麻痺の確認
歯を見せる、または笑うように依頼する、片側だけ動かないなど麻痺がないか確認

腕の麻痺の確認
目を閉じて両腕を挙げるように依頼する
片方だけ上がらなかったり、揺れたりしていないか確認

言語障害の確認
日本でよく使われるのはこの言葉です。
これを複数回言ってもらいます。

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