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ケアマネよ 地方議員を目指せ!/宮崎直樹(市議会議員、ケアマネジャー)【前編】

昨年秋、ケアマネジャーやヘルパーとして働く地方議員5人が、介護従事者に向けた政治の指南書「介護職よ、地方議員を目指せ!」(ともあ)を出版した。取りまとめ役を務めた千葉県船橋市の宮崎直樹市議は、今も35人の利用者を抱える現役のケアマネだ。「ケアマネも地方議員になれることを自分が証明した。介護現場からもっと地方議員が出てほしい」と話す宮崎市議。2月の賃上げの対象から居宅介護支援事業所が外れたばかりだが、政治は変えられるのか―。宮崎市議に話を聞いた。

宮崎直樹市議
宮崎直樹市議

若い男性職員の「寿退社」に衝撃!

―政治家を志したきっかけを教えてください。

高校を卒業してから、エアコンの取り付けとかの工事の仕事をしていて、最初はそっちがメーンだったんですけど、さまざまな出会いがあって、ひょんなことから介護の業界に入ったんです。

専門学校を卒業後、22歳の時に現場で働き始めたら、若い男性職員が結婚を機に辞める「寿退社」があることを知って、とにかく衝撃を受けました。生活のために、トラックの運転手や建設工事の仕事をしているんです。

自分は35歳ぐらいまでは二足の草鞋で、土日に工事の仕事をしていたので、介護の給料の方はあまり気にしていませんでした。それで仲間に「なんで給料安いの?」って聞いてみたら、「介護報酬は国が決めている」と。

自分は専門学校に入った頃、金髪にロン毛で、やんちゃしてた。でも、介護の現場で働き始めたら、利用者さんのおばあちゃんが、「あんたって、テレビに出てくるお兄ちゃんみたいだね」と言って、自分の居場所を作ってくれて、命を懸けてこの業界でやっていこうと思った。だから、何が問題なのか、ものすごく調べたんです。

でも、調べれば調べるほど、介護職の団体に政治力がないことがわかってきて、「ああ、これは誰かが声を上げないと何も変わらないな」と思うようになりました。

市議に弟子入り 本格的に政治の道へ

―地方議員になろうと思ったのは何歳の時ですか。

議員になろうと決めたのは、10年ぐらい前ですかね。ちょうど独立して、居宅介護支援事業所を立ち上げたんだけど、介護だけではご飯を食べていけないから、まだ工事の仕事を掛け持ちしていました。誰かが政治を変えないと、この状況がずっと続くと思って、この頃、初めて「政治家」にアプローチをかけたんです。ちょうど、船橋市議会議員選挙に立候補した津曲俊明さん(現議員)に。

たまたま、選挙用のチラシがポストに入っていて、「自分と同い歳か」と。この人と仲良くなりたいなと思って、車で探しに行きました。事務所はどこだろうって。そしたら、途中で選挙カーを見つけて(笑)。運転手に「この議員に会わせてほしい」とお願いして、そのまま津曲さんに弟子入りしました。そのチラシがなかったら、政治家になっていなかったかもしれませんね。

―初めて出馬したのはいつですか。

2017年6月に、船橋市議会議員の補欠選挙があって、無所属で出馬しました。定数1に対して6人が出る中、3万票近い票を頂きましたが、残念ながら2着に終わりました。その後、19年4月の一般選挙で初当選し、ようやく議員になることができました。

保険者は介護事業者を下に見ている?

―市議の立場で保険者と向き合うようになって、何か感じたことはありますか。

市議になる前は、保険者は介護事業者のことを下に見ていると思っていたんですが、それは勘違いだとわかりました。彼らも、「船橋の介護を良くしていきたい」という気持ちを持っているんです。ただ、指導・監督をする立場上、間違ったことは言えないから、つい厳しい口調になるんでしょうね。それを聞いた事業者は、「介護保険課の人って、なんか偉そうだよね」と受け取ってしまう。

これは役所だけの話じゃなくて、こちら側にも、質の悪い人間はいると思います。事業者は、介護保険課と電話で話すことが多いから、たまたま、そういう人に当たってしまって、悪い噂が広がっている印象を受けます。

―今の話は良い面だと思うんですが、反対に悪い面はありますか。

これは仕方のないことなのかもしれませんが、なぜ、自分たち事業者と行政の話がかみ合わないのかが理解できました。役所の人たちは、この地域に要介護者が何人いて、この人たちが将来どうなりそうだとか、数字で物事を見ています。でも自分たちは、利用者さんのにおいや髪の毛の色だったり、鼻の高さだったり、口癖だったり、好きな物だったり、生身の人間として見ているから、つい感情的になってしまうんですよね。

―役所の方たちは、利用者さんの顔がイメージできていない、と。

そうです。無機質な物として扱っているから、話がかみ合わないし、衝突の原因にもなる。でも、これはどちらかが悪いというよりも、お互いに歩み寄る必要があると思います。

政治家はケアマネの仕事を知らない

―当選からまもなく3年を迎えます。今、どのような問題意識を持っていますか。

議員になって、政治家がケアマネの仕事を知らないことがよくわかりました。もちろん、言葉としては知っているし、なんとなく理解はしているはずですが、「ケアマネの仕事って何ですか」と尋ねると、大多数は正確に答えられないと思います。

船橋市議会の定例会の本会議で、最もよく出てくる資格の名前が、おそらくケアマネだと思います。例えば、地域の災害対策を考える際、ケアマネに協力してもらって、要介護者をリストアップしてもらおうとか、よく名前が出てくる。議事録を検索してもらえば、わかると思います。

弁護士とか税理士とか、消防士とかドクターとか、さまざまな資格がある中で、ケアマネの登場回数が一番多い。にもかかわらず、ケアマネが何をしている人か、多くの政治家は正確にわかっていないんです。

だから、「ケアマネの仕事はこうなんだ」と訴えて理解してもらわない限り、ケアマネの処遇改善は実現しないのかなと、最近思うようになりました。ケアマネのことを知ってもらうため、会派室(議員の控室)で他の議員に、「ケアマネってこうなんだよ」とよく話しています。だから、うちの会派の議員は、ケアマネのことをすごく理解しています。草の根というか、そうした地道な取り組みを進めるしかないのかなと思いますね。

取材・構成/敦賀陽平

宮崎直樹(みやざき・なおき)
専門学校を卒業後、22歳の時に介護の世界へ。2012年11月、株式会社介護屋宮﨑を創業し、東京都江戸川区に居宅介護支援事業所「介護屋みらい」を開設。14年9月には船橋店を立ち上げる。19年4月の船橋市議会議員選で初当選し、現在1期目。「ケアマネの本質は対人援助。書類に追われて利用者・家族と向き合う時間を削るようなことがあってはならない」「公正・中立な立場でいたい」との思いから、各種団体・協会の講演で仕事のノウハウなどを伝えている。介護系雑誌、新聞などへの記事掲載、執筆多数。一般社団法人「ケアマネジャーを紡ぐ会」会長。44歳。

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