介護アンケート
防災に関する調査結果
- 2018/03/09 09:00 配信
- 介護アンケート
■調査結果
回答者:「ケアマネジメント・オンライン」会員ケアマネジャー174人、 調査期間:2018/3/1~2018/3/9
今回は3月に実施したワンクリックアンケートより、「あの日からもうすぐ7年。災害への備えは?」をお送りします。
このテーマの投票数は174件でした。投票結果は「事業所では、災害発生時の対応を話し合い、緊急の連絡先などを共有している」が45%、「今のところ備えはない」が30%、「個人的には食料や水などの防災グッズを用意している」が22%、「事業所内ではもちろん、利用者やご家族まで含めて災害発生時の対応を話し合い、必要な情報を共有している」が3%となりました。万一に備え、事業所単位で対応を考えているケアマネ(「事業所では、災害発生時の対応を話し合い、緊急の連絡先などを共有している」と「事業所内ではもちろん、利用者やご家族まで含めて災害発生時の対応を話し合い、必要な情報を共有している」の合計)は、約半数ということになります。
(n=174)
事業所単位で対応に乗り出している人からは、「法定の研修の一環として定期的に確認しています」や「消防署員立ち会いで防災訓練をしている。これからは災害対策の訓練もしたいので、それに必要なグッズを準備したいと考えている」などの声が寄せられました。
特に「事業所内ではもちろん、利用者やご家族まで含めて災害発生時の対応を話し合い、必要な情報を共有している」というケアマネの半数は、福島県と兵庫県のケアマネで占められていました。
ただし、「マニュアルは作成しているが、訓練が十分でなく不安が大きい」や「サービス担当者会議開催時に連絡方法、避難場所等の確認をしていますが、必ずしも全てのケースという訳にはいかないです」など、備えに対し不安を感じているという意見もありました。さらに、「今のところ備えはない」と答えた人からは、「記憶が薄れ、ついつい忘れがちになってしまいます」や「7年を迎え、防災に対する意識が薄れているように思える」などの声も寄せられました。
油断は大敵!より充実した対応を目指す
- 以前より備蓄の量を増やしたりと、対応はしています
- 消防署員立ち会いで防災訓練をしている。これからは災害対策の訓練もしたいので、それに必要なグッズを準備したいと考えている
- 行政でも文書で高齢者の対応について把握に努めている
- 独居や高齢者の多い海岸に面した地域のため、地域で防災活動に取り組む必要があると考えます
※被災経験が防災意識を高めたとの声も
- 一度被災した経験から、防災に対する意識は高まっています
対応はしているけど、不安な部分もあり…
- マニュアルは作成しているが、訓練が十分でなく不安が大きい
- 職場が福祉避難所に指定されており、防災備蓄品はあるが、災害発生時の具体的な内容は決まっていない
- 事業所では一応、緊急時の対応としての対応を決めてマニュアルは作っていますが、災害の状況によっては、果たして機能するのか不明
- 老健に水が10箱程度だけ。提案しても全く改善なし。自分のことを守るのみ。残念
- サービス担当者会議開催時に連絡方法、避難場所などの確認をしていますが、必ずしも全てのケースという訳にはいかないです
わかってはいるけど…対応できていません
- 業務に追われて準備できていません…
- 切実に準備しなければと考えてはいるのですが…
- 備えていたほうがいいのですがなかなかです
※「風化」を懸念する声も
- 記憶が薄れ、ついつい忘れがちになってしまいます
- 7年を迎え、防災に対する意識が薄れているように思える
終わりに
このアンケートは東日本大震災の発生から7年を迎えたことを受けて行いました。半数のケアマネが事業所単位での防災対策を講じている一方、備えはないというケアマネも3割いるという結果となりました。さらに震災の記憶の風化が、防災の取り組みにも影響しているという指摘も寄せられました。
巨大災害はいつ起こるかわかりません。実際、政府の地震調査委員会はこの2月、「南海トラフ地震」が近未来に発生する確率を引き上げました。万一の時、何をすべきなのか、あるいは、既に作った対策が十分に機能するのか―。この機会に改めて検討してみてはいかがでしょうか。