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21改定、オモテとウラ

ケアマネとの関連が少ないと思われているLIFE、今、知るべきこととやるべきこと

2021年度の介護報酬改定における最重要テーマである科学的介護情報システム「LIFE」については、居宅介護支援に関連する加算が創設されなかったこともあり、ケアマネジャーの関心はあまり高まっていません。ただ、これからの介護保険制度の根幹ともなりうる大変重要な枠組みであり、改めて解説していきたいと思います。

従前より試験的に運用されてきた「CHAS」と「VISIT」が統合され、4月から「LIFE」となり、本格運用されることとなりました。このシステムの最大のポイントは、以下の3点です。

  • エビデンスに基づいた介護の実践
  • 科学的に妥当性のある指標等の現場からの収集・蓄積及び分析
  • 分析の成果を現場にフィードバックすることで更なる科学的介護を推進していく

各事業者は、高齢者の基本情報に加えてADL、口腔、栄養、認知機能の状態の評価指標となりうる情報を定期的に「LIFE」のビッグデータに入力します。その後、各事業者は全国から集まったデータに基づき、担当する利用者の状態を比較分析した結果についてフィードバックを受けます。そしてケアマネは、事業者を通じてフィードバックされた情報を確認し、日々のケアマネジメントに活用していくこととなります。

将来的には、利用者の状態変化に伴う介護の介入方法・介助手法についても分析し、自立支援や重度化防止に繋がる介護手法の確立へと繋げ、そこで確立された介護ノウハウを国際化していくことにまで視野に入れられた構想でもあります。

21年改定で数多く創設された関連する加算

2021年度介護報酬改定では、「LIFE」に関連する様々な加算が新設されました。

まず、その中核と位置付けられるのが、「科学的介護推進体制加算」でしょう。ご利用者の基本情報、ADL、口腔、栄養、認知機能の状態について情報収集し、6カ月ごとに情報更新し、ビッグデータへと入力し、フィードバックを受け、そのフィードバックデータを日々の介護に活かして、介護計画書の見直しを含めたケアマネジメントに利活用することで算定できる加算です。

算定可能なサービス種別には、特養、地域密着型特養、老健、介護医療院の施設4サービスと、通所介護(認知症対応型・地域密着型含む)、通所リハビリテーション、特定施設、地域密着型特定施設、グループホーム、小多機、看多機となります。

加えて、それぞれのサービス種別ごとの関連加算において、「LIFE」への情報提供及び、ケマネジメントサイクルへの利活用に伴う上位区分の加算が作られました。例えば、「個別機能訓練加算」「リハビリテーションマネジメント加算」「褥瘡マネジメント加算」「排せつ支援加算」「栄養改善加算」「口腔機能向上加算」など。さらには、「ADL維持等加算」「栄養マネジメント」加算などについては、加算の算定条件に「LIFE」の利活用が設けられるなど、関連した加算が多数新設されることとなりました。

ケアマネの運営基準にも盛り込まれた「LIFEの利活用」

ケアマネについては、デイサービスなど在宅サービスにおける「LIFE」に関連する各加算への理解を進めていく必要があります。加えて、居宅介護支援を含む全てのサービス種別で、省令改正が行われ、運営基準において「LIFE」の利活用が求められることとなりましたので、対応が必要となります。

次回改定で、さらに促進される「LIFE」の活用

2021年度の介護報酬改定における「LIFE」への取り組みは序章にすぎません。

今後の介護保険制度改革の柱となる「自立支援の推進」「科学的介護の推進」「アウトカム評価の推進」の根幹をなすシステムが「LIFE」であるため、次の介護報酬改定においては、間違いなくサービス種別が拡がり、加算単位数も大きくなるでしょう。さらに「LIFE」において収集した高齢者の状態変化に伴うアウトカム評価の加算も多数新設されることが予想されます。従って、各事業者はこれから3年間かけてしっかりと「LIFE」の利活用に取り組めるように準備を進めていかなければなりません。

ケアマネこそ、「LIFE」に積極的にかかわって!

もちろん、ケアマネも無縁ではありません。「LIFE」の利活用を通じて、これまで以上に高齢者の精緻な状態把握を行うことが求められるでしょう。

「LIFE」を利活用すれば、アセスメント情報の質が向上し、ケアプランの中身にも良い影響をもたらすでしょう。つまり、ケアマネジメントの質の向上へと繋がっていくはずです。

逆にケアマネが「LIFE」への関心を示さなければ、サービス事業所で、より精緻なアセスメント情報に基づくケアマネジメントが行われることになり、在宅サービスの在り方が問い直されることともなりかねません。従って、ケアマネは、加算算定可能なサービス種別と同等か、それ以上に「LIFE」に対して高い関心を示していかなければなりません。

最後に、ケアマネが「LIFE」への取り組みを進める際、同時並行で必須となることをご説明いたします。それは、ICT機器を積極的に活用するなどして、ケアマネジメント業務の生産性を向上させることです。「LIFE」への取り組みを進めるためには、これまで以上に膨大な情報収集と、データ入力、さらにはフィードバックデータの活用が必要となるため、生産性の向上を図ることが必須なのです。

ケアマネは介護保険制度の要です。だからこそ今後、介護保険制度の新しい形の根幹ともなる「LIFE」について、ケアマネは重要性をしっかり認識し、積極的に取り組みを進めていただきたいと思います。

斉藤正行
奈良県生駒市出身。立命館大学経営学部卒業後、飲食業のコンサルティング、事業再生等を手掛ける。2003年以降、グループホームやデイサービスを運営する企業で要職を歴任。2010年には日本介護ベンチャー協会を自ら設立し、代表理事に就任した。18年、全国介護事業者連盟の専務理事・事務局長に就任。20年には同連盟の理事長となった。

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