令和5年度(第26回)介護支援専門員実務研修受講試験

2023年10月8日(日)に実施された介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネ試験)の解答速報です。

解答速報

  • 介護支援分野
    1. 3 5
    2. 2 3 5
    3. 3 5
    4. 1 3 4
    5. 1 3 4
    6. 2 4
    7. 1 2 3
    8. 1 2
    9. 2 3 5
    10. 1 4 5
    11. 1 3 4
    12. 1 4
    13. 3 5
    14. 1 2 3
    15. 2 4 5
    16. 4 5
    17. 2 4 5
    18. 2 5
    19. 1 2
    20. 1 2 3
    21. 2 3 4
    22. 2 4
    23. 1 3 5
    24. 4 5
    25. 1 4 5
  • 保健医療サービスの知識等
    1. 1 2 5
    2. 3 4 5
    3. 1 2 4
    4. 1 2 4
    5. 1 3 4
    6. 1 3 5
    7. 2 3 4
    8. 2 3 4
    9. 1 2 3
    10. 1 4 5
    11. 1 2
    12. 1 2 3
    13. 2 4 5
    14. 1 3 5
    15. 1 2 5
    16. 1 4 5
    17. 1 5
    18. 2 4 5
    19. 2 3 4
    20. 1 3
  • 福祉サービスの知識等
    1. 1 2 4
    2. 1 2
    3. 2 3 5
    4. 1 5
    5. 2 3 4
    6. 1 4
    7. 2 5
    8. 1 2 4
    9. 1 3 5
    10. 1 2 5
    11. 2 3 5
    12. 1 3 4
    13. 1 3 5
    14. 2 4 5
    15. 1 2 5

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総評:例年並みの難易度、「介護支援分野の得点次第」の傾向がより強く

  • 高齢社会権利擁護研究所 所長 野島正典

はじめに……本年度試験の総括として

2023(令和5)年度「第26回」介護支援専門員実務研修受講試験(以下、本試験といいます)は、10月8日(日)に予定通り実施されました。

「2025年問題」の現実化が目前となった中、国は介護予防を重視する姿勢を明示しています。一方で、財源の問題から介護保険制度は、軽度者の切り捨ての方向に向かいつつあるようにも見えます。そんな複雑な情勢の中、介護保険制度の要(かなめ)といわれる介護支援専門員に対し、国は何を期待しているのか―。それを知る上で、今回の問題は大きなヒントとなると思われました。

さらに言えば、受験資格の厳格化や避けられない実務研修・更新研修、なかなか実現しない処遇改善などの影響で、介護支援専門員は全国で不足しはじめています。また、現任者の高齢化も、深刻な問題となってきている上、2024年度には介護保険法(制度)改正も控えています。こうした現場の状況と制度改正の動向が、試験の内容にどのように反映するのかも、大きな関心事ではありました。

本試験を全体として評すれば、「出題範囲もほぼ例年通り、難易度も例年並み(過去本試験問題と同等の難易度)」といったところでしょう。

本試験全体の傾向としては、出題形式としての「3つ選べ」が、介護支援分野では14問/25問(56%)、保健医療サービスの知識等では17問/20問(85%)、福祉サービスの知識等では11問/15問(73%)、全60問では42問(70%)と、相変わらず高い割合を占めました。逆説的には、「誤りの選択肢をみつける」ことで、内容の正しい理解とは別に、正答率を上げることも可能であったと言えます。

設問並びに選択肢文の表現や難易度は、テキストなど(長寿社会開発センター版九訂介護支援専門員基本テキストを含む)からのほか、本試験過去問題を使用して学習された受験者には、特に「保健医療福祉分野」に限れば、比較的「やさしい」と感じられたと思われます。

しかし、介護支援分野では、一般的な受験対策テキストに記述のない事項や、法令の条文を問うなど、一見難しく感じる出題もありました。

相対的には、例年並みの難易度と評価でき、保健医療福祉分野では高得点が見込まれるところ、合否は、介護支援分野の得点次第(1点の差の重みが更に増す)という傾向が、より強くなっているように感じました。

増えた制度全体の出題、表面的だったケアマネジメント関連-介護支援分野

介護支援分野の出題からは、国がこれからの介護支援専門員に何を期待しているのか(これからの介護支援専門員像)、及び来年度に「長寿社会版基本テキスト」の改訂版出版の予定を踏まえ、どのような出題かに着目しました。

一番の変化は、介護保険法(制度)を中心に、社会福祉・社会保障の全体に関する出題として、問題2「地域福祉や地域共生社会について」、問題10「介護保険法に規定する介護保険等関連情報の調査及び分析について」、問題11「地域医療介護総合確保基金について」などが出題されました。一方、全体的に「ケアマネジメント」(居宅介護支援及び介護予防支援)に関する出題が表面的で、あっさりとしていたように見受けられました。

巷間求められている、介護支援専門員資格に関する国家資格化を踏まえて、「ケアマネジメントの担い手」から「介護保険法(介護保険制度)の中心的資格者」へ、試験問題もそれを踏まえているのか―。そんなふうにも思えてしまう出題でした。

事例問題(問題23~25)を除き、「正しいもの」「適切なもの」を選択させ、「より適切なもの」を問う出題(5つの選択肢の間で比較衡量し、正解を導き出す形式)がなかったことも特徴的と感じました。出題形式を含め、社会福祉・高齢者介護、障害者福祉の全般について、広く浅く、かつ基礎・基本的な事項について出題されていたと思われます。

過去問活用で十分対応可能な内容-保健医療福祉分野

保健医療福祉分野のうち、「保健医療サービスの知識等」の出題では、全体像の解説でも少し触れましたとおり、過去問(過去本試験出題)レベルのものが大半で、過去問題集などを活用された受験者には、比較的容易に正答を導き出せたのではないかと推察します。

しっかりと読み解けば、問題文から正解を導き出せる設問が多く、ケアレスミスや選択肢の読み間違いが、合否を分けることになるでしょう。

保健医療的な介護の基礎知識などが中心でしたが、問題37「感染症と感染経路」が、久しぶりの「組みあわせ問題」だった点は、目新しさを感じました。

「疾患としての認知症」や「認知症ケア」に関してのみをテーマとした出題がなく、問題31で「認知症に対する国の施策、および疾患としての認知症、認知症ケアまで」を1問でまとめて聞いている点には、若干驚きました。また、例年出ている「訪問看護」だけをテーマとした出題もありませんでした。「看護小規模多機能型居宅介護」などで、関連して「訪問看護」が触れられていただけでした。

もう、60題という出題数では、重要なサービスや疾患を網羅しきれないのかもしれません。この点、現在の試験のスタイルに限界を感じました。

利用定員、入所定員などに関する出題は、ある程度予想の範囲でした。ただ、これまでほとんど触れられなかった、介護老人保健施設や介護医療院の施設・設備基準について、後述の「福祉サービスの知識」でも、介護老人福祉施設の設備基準における、床面積や廊下幅などの数値の正誤を問う出題がありました。いずれも「誤り」(×)の選択肢であり、冷静に読み取れば、常識の範囲でも解答できましたが、介護支援分野の消滅時効期間など、数字に極端な苦手意識があると、迷ってケアレスミスに陥った受験者もいたのではないかと推察します。

「福祉サービスの知識等」では、面接相談、ソーシャルワーク関し4問出題と比較的多く出題されましたが、その内容は基本的なもので、福祉専門職が受験基礎資格の方には容易なものであったでしょう。

問題54選択肢1の「住宅改修費支給限度額の管理を、同一住居に複数の要介護者が同居する場合、被保険者ごとに行う」という出題では、「住宅改修費支給限度基準額は、住宅単位で設定」との観点から、これを「正しい」とすることには抵抗を感じ、また問題56の認知症対応型通所介護の出題では、「共用型」に関しては、短い選択肢文から「どの施設等との共用型か」など、難しいとまでは言えませんが、選択肢文としては、少々不親切な内容という印象を受けました。

関連制度についての出題は生活保護、成年後見制度、高齢者虐待防止法の3問で、少なく感じました。これも、全60問という制約の限界といえるかもしれません。

合計43点、正答率71.6%が合格ラインか

ここ数年の合格基準点の推移は、以下のとおりで

年度(開催回数) 介護支援分野 保健医療福祉分野 合計
2020年度(第23回) 13点/25点 22点/35点 35点(58%)
2021年度(第24回) 14点/25点 25点/35点 39点(65%)
2022年度(第25回) 18点/25点 26点/35点 44点(74%)

これをもって、本年度試験の合格基準点を予測することは難しいですが、本年度試験の出題内容を吟味し、公表されている「合格点は正答率70%」を基準に鑑みれば、本年度試験の合格基準の予想は、介護支援分野17点/25点(68%)、保健医療福祉分野26点/35点(74%)、合計43点/60点(71.6%)あたりかと考えます。

おわりに…近い将来、内容だけでなく出題数の変更も?

来年度(第27回)試験は、受験資格が「国家資格取得後5年の実務経験」に変更されて5年を経過したタイミングとなります。受験者数(志望者数)が増加し、介護支援専門員を取り巻く制度上の課題が解決され、合格者増が実現することを期待したいところです。

上述のとおり、介護保険制度は改正を通じて膨張し、障害者福祉との連携の強化(地域共生社会の実現に向け)など、介護支援専門員に求める知識や情報の量が増えてきています。試験問題の内容もさることながら、そろそろ出題数の増加などの変革も行われるかもしれません。いずれにせよ、来年、この試験を目指される方は、12月発表の本年度試験の合格率と合格基準、次年度発行予定の改訂版介護支援専門員基本テキストの内容などから、次年度試験の出題傾向の変化などに注目し、対策を検討しておくとよいでしょう。

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