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長寿社会の落とし穴、「フレイル」予防で健康寿命を延ばそう!

監修:医療法人社団 碧水会 理事長 三木誓雄先生

Answer

フレイルに立ち向かうためのポイントは2つ。状況に応じた適切な栄養と、定期的な運動です。

ポイント1:しっかり栄養を摂り、やせすぎない

フレイル予防のため、第一に心がけたいのは、しっかりバランス良く栄養を摂ることです。特に、筋肉のもととなるたんぱく質は欠かせないもので、65歳以上の男性で60g、女性で50g(いずれも1日あたり)の摂取が推奨されています。卵(Lサイズ1個のたんぱく質は約7.5g)で考えると約7.5~8個分に相当します。

【参考】日本食品標準成分表2020年版(八訂) 

65歳以上の1日あたりのたんぱく質推奨量
65歳以上の1日あたりのたんぱく質推奨量65歳以上の1日あたりのたんぱく質推奨量

これを食事だけで摂るのは意外に難しいかもしれません。「コーヒーに豆乳や牛乳を入れる」「おやつにバナナやアーモンド小魚を食べる」というように食事以外でも積極的に摂取を心がけ、さらに「たんぱく質を補う栄養補助食品を活用する」など工夫してみましょう。

ポイント2:定期的に体を動かして筋力低下を防ぐ

定期的な運動習慣を持つことも大切です。中でも、椅子を用いた足上げやスクワットのようなレジスタンス運動※を行い、無理のない範囲で筋肉量の増加を図ることが有効と考えられています。一人よりも誰かと行うほうが継続しやすいので、「ご近所さんと一緒に公園で体操する」「町内会やジムの運動教室に行ってみる」といった方法もお勧めです。

定期的に体を動かして筋力低下を防ぐ

また、たんぱく質を効果的に合成するためには、運動後1時間程度のうちにアミノ酸を意識的に摂取することが肝心です。ドリンクタイプやゼリータイプの栄養補助食品なら、ひと汗かいた後でも手軽に取り入れることができそうですね。

※レジスタンス運動:筋肉に自身の体重(自重)や道具による負荷をかけて筋力を鍛えるトレーニングで、高齢者のフレイル予防としても行われる。

高齢者の「引退後もいきいき過ごす」を支援しよう

高齢者の「引退後もいきいき過ごす」を支援しよう

65歳前後の時期は、仕事から離れるなどして社会との接点が急激に減るタイミングです。自宅で自由気ままに過ごしていると生活リズムが崩れ、身体機能やエネルギー消費量が低下しやすく、フレイルの「入り口」になってしまうことも少なくありません。フレイルの悪循環を断ち切って健康寿命の延伸を実現するためにも、地域の高齢者がいきいきと過ごせるよう働きかけるケアマネジャーさんの力は欠かせないのです。

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