歩行車は、歩行に不自由を抱える方々の心強いパートナー。中でも「スムーディ」シリーズの歩行車「カウサポ<買物用>」「カジサポ<室内用>」（パナソニック エイジフリー株式会社）は、隅々まで配慮が行き届いた設計＆高品質の自信作で、ご利用者様の行動範囲を安全に広げてくれます。ケアマネジャーの中山真一さん（スマイルケア指定居宅介護支援事業所）、本田雪子さん（ケアパートナーうちだ）のお二人に製品を体験し、感想を語っていただきました。

自宅での安心安全と行動範囲の拡大をもたらす「カジサポ」

前ページでは「カウサポ」を紹介しましたが、次に紹介する「カジサポ」は室内での使用に特化した歩行車。「歩行を安全に支える」という基本機能はもちろん確保しつつ、狭い空間での旋回性の高さ、大型車輪（直径17cm、幅4cm）による凹凸面（段差、畳、毛足の長い絨毯 など）での直進性の良さ 、使いやすさを追求したトレイ※やバスケット（仕切板つき・引き出し式）などが自慢です。
※トレイはオプションになります

実機を試用していただいたケアマネジャーのお二人は、忖度抜きでどう感じたのでしょうか？　プロ目線での感想を伺ってみましょう。

ケアマネジャーの感想は「身の回りの『小さな移動』を助けてくれる」

中山：「カジサポ」は室内での使い勝手を考えて設計されていますが、大前提として歩行車はご利用者様の歩行を支える福祉用具なので、まずはその部分の機能性の高さに注目したいですね。旋回性の高さや直進性の良さもさることながら、ハンドルの高さ調整範囲が広いので「よい姿勢」を保って歩行しやすく、体への負担や転倒リスクが小さいと思いました。

本田：室内で運ぶ物は、例えば御飯など温度が高いものや味噌汁などの水分であることが多いので、転倒リスクはもちろん、火傷のリスクにも注意しなければなりません。その点、「カジサポ」は安定性が高いですし、仮にトレイに載せた食事がひっくり返ってしまっても、トレイの深さがあるので外にこぼれにくくなっていますね。

中山：トレイは四角状で使いやすいですし、大きさも十分だと感じました（奥行：約25cm×幅：約22.5cm）。あるご利用者様は「どうしても急須でお茶を入れて夫に出したい」というニーズをお持ちで、私は最初は危ないからやめてほしいと思いましたが、その湯呑がお二人の旅行先で手に入れた思い出の品だと伺い、無下に止められないなと思った経験があります。「カジサポ」のトレイなら、そうした場合でも安心ですね。

本田：トレイの高さはちょうど配膳・下膳がしやすいあんばいですし、トレイの下にあるバスケットは日常使いの細々とした物品を入れておくのに便利ですね。 ご利用者様が居宅で使う場合だけでなく、施設に入所されている場合でも「カジサポ」は活躍してくれるのではないでしょうか。

中山：例えば、ご利用者様が飲み物（フリードリンク）を取りにいきたいとき、職員さんはちょっとでも危険があると思えば代わって持ってきてくれます。しかし、それは本当の意味の自立支援ではないし、歩行機能を維持するという側面からも自分のことは自分でできた方がいい。「カジサポ」は、それを可能にしてくれると思います。

本田：私の経験からすると、特にお歳を召した女性は「自分の使った食器は自分で下げないと気が済まない」という方が多い気がします。それが「カジサポ」の助けで可能になるのであれば、「自分はまだまだできる」という自信にもつながりますね。散歩や買い物のような「大きな移動」だけでなく、身の回りの細々した用事を片付ける「小さな移動」も大切なんです。

中山：カタログなどでスペックを確認することはできるものの、「カウサポ」や「カジサポ」の安定性や取り回しのしやすさは、文字情報だけではなかなか伝わりづらいでしょうね。私たちは実機を試用する機会を頂いて、その良さを実感することができましたが、これを読んでいるケアマネジャーの皆さんにもそうした機会があればいいなと思います。