

CMO特別インタビュー
「ケアマネは在宅の司令塔。それにふさわしい処遇を」-メディカルケアプランナーを提言した、日本慢性期医療協会の橋本会長インタビュー(後編)
- 2025/07/18 09:00 配信
- CMO特別インタビュー
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先月、介護医療院の事業者らが集う日本慢性期医療協会(日慢協)は、病院の現場関係者が在宅のケアマネジャーのケアプラン作成を支援する「メディカルケアプランナー」の導入を提案しました。その提案の狙いや、現場にもたらす効果などについて、前編に続いて、日慢協の橋本康子会長に話を聞きました。
日本慢性期医療協会 橋本康子会長
よろず相談所となっているケアマネ、少しでも必要な負担軽減
―確かに、メディカルケアプランナーのような仕組みがあれば、ケアマネジャーの負担軽減も期待できそうです。
その通りです。いまや、ケアマネジャーさんの多くは、ほとんどよろず相談所と化しています。頑張っている人ほど、そうなっています。その結果、まじめなケアマネジャーさんは、本当に多忙で、疲弊しきっています。
そうした状況を思えば、少なくとも、病院が関わるような医療関連の情報くらいは、わかりやすく、簡単に把握し続けられるような仕組みが必要だと思うのです。
それに、病院の方も、そうした仕組みがあった方が仕事をしやすい。それぞれの専門職は、患者が自宅や介護保険施設で生活を再開するにあたり、それぞれに伝えておきたいことを抱えています。さらに、退院した患者さんの様子や、リハビリを続けているか、といったことも知りたい。
ケアマネも、病院も、在宅生活を送る患者さんについて、聞きたい情報・伝えたい情報・知りたいこと・疑問を、それぞれ、たくさん抱えているわけです。
だからこそ、その「窓口」となる立ち位置の仕組みが要るのです。その役割を果たすのがメディカルケアプランナーでもあるのです。
―ケアマネジャーの負担軽減といえば、昨年12月、厚労省が公表した「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会」の中間整理では、ケアマネ業務を「法定業務」「保険外サービスとして対応しうる業務」「他機関につなぐべき業務」「対応困難な業務」の4つに分け、法定業務以外は、誰が担うか、地域で検討するようとの方針が示されました。
そうですね。でも、裏を返せば、誰が担うのかはっきりしない「保険外サービスとして対応しうる業務」や「他機関につなぐべき業務」は現実として、ケアマネジャーが担っていることも多いわけです。この点は、これから地域で検討をしていくとしても、当面、ケアマネジャーが担い続けなければならないケースもあるとは思います。
こうした現状を思えば、せめて病院との連携における負担は、軽くすることはできないか―。そんな想いもあり、このタイミングでの、メディカルケアプランナーを提起したのです。
「退院時のサマリーをケアマネに共有する」くらいの活動から
―メディカルケアプランナーという仕組みはいつごろ、制度内に創設されればいいと考えていますか。
明確な答えはありませんが…公的な制度として立ち上げる前に、現場から始めてしまってもいいと思います。
―どんな取り組みから始めることが考えられますか。
病院の中では退院時サマリーを書いているはずですが、それをケアマネジャーさんに、何らかの形で必ず共有する、ということが考えられます。さらには「一歩踏み出し、ケアマネジャーさんを意識した退院時サマリーを用意し、共有する」というくらいのスタートでもいいと思うのです。
そうしたサマリーがあれば、退院時のカンファレンスも、より精度が高いやり取りができるようになるはずです。情報があれば、質問したいこと、確認したいことも、より具体的になるはずですから。
今こそ、介護支援専門員をもっと魅力ある職種に!
―現場のケアマネへのメッセ―ジをお願いいたします。
超高齢者社会を迎え、介護保険の存在意義はますます大きくなっています。なかでもケアマネジャーさんの役割はとても大きい。その一方、ケアマネジャーさんの数は減っています。
だからこそ、今こそ、「介護支援専門員」という職種を、もっと魅力ある職種にしなければならないのです。
魅力ある職場とするためには、まず、業務をすっきりさせてあげる必要があるでしょう。どこまでがケアマネの業務なのかをはっきりさせる、ということです。つまり、いわゆる「シャドーワーク」を減らしていく、ということです。
そして、なにより、必要なのは処遇改善を実現すること。ケアマネジャーさんは、マネジメント職です。在宅を支える専門職の司令塔なんです。そういう意味では、それにふさわしい処遇は必要不可欠でしょう。
- 橋本康子(はしもと・やすこ)
- 医学博士。藤田医科大学医学部卒業後、香川大学医学部第1内科に入局。米国インディアナ大学腫瘍学研究所勤務を経て、医療法人社団和風会橋本病院に勤務。2000年より理事長を務め、千里リハビリテーション病院、千里リハビリテーションクリニック東京を開設。日本慢性期医療協会会長、厚生労働省社会保障審議会介護保険部会委員などを歴任。社会福祉法人徳樹会・福寿会理事長も務める。
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