一人ケアマネの歩き方~独立を目指すケアマネのための実践ガイド~
なぜ独立型居宅の一人ケアマネを目指したのか?
- 2025/01/28 09:00 配信
- 一人ケアマネの歩き方~独立を目指すケアマネのための実践ガイド~
- ヒトケア
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「いつかはケアマネジャーとして独立したい」―。こんな思いを抱いているケアマネジャーの皆さんも多いのではないでしょうか。本連載ではそのような皆さんに向けて、居宅介護支援事業所の独立開業に向けた具体的なステップや経営のリアル、さらには独立後の生存戦略まで、“生粋の一人ケアマネ”である筆者の経験を交えながらお伝えしていきます。
皆さん、初めまして。今回の連載を担当させていただくヒトケアと申します。
私は、東京都内の独立型居宅介護支援事業所で一人ケアマネをしています。2012年に新規開設した居宅介護支援事業所で、管理者兼一人ケアマネとしてキャリアをスタートさせ、3年後の2015年に独立を果たしました。
雇われだった新人の頃から独立後の現在まで、ずっと一人ケアマネとして活動している、“生粋の一人ケアマネ”です。
「どうして一人ケアマネを続けているの?」「ケアマネさんを増やさないの?」と、地域の事業所さんから聞かれることがあります。
確かに独立後、人を採用して事業所の規模を拡大するという選択肢もあります。でも私は、そこには一切興味がありません。
私が独立を目指した理由は何よりも、ケアマネジャーとして公正中立な支援を行いたいという思いでした。併設型の居宅介護支援事業所の場合、法人の運営方針や目先の利益が支援内容に影響してしまうことがあります。
法人に雇われている会社員の立場と、公正中立な支援を行いたいケアマネジャーとしての立場。時に相反する2つの立場の間で、ジレンマに苦しむケアマネジャーは多いことでしょう。雇われケアマネ時代の私もその一人でした。
その点、独立型の居宅介護支援事業所であれば、法人の利益を優先することなく、利用者にとって本当に必要な支援を行うことができます。それがケアマネジャーとしての私にとって大きな魅力であり、独立を目指すことになった動機づけの一つでした。
独立を目指したもう一つの理由は、自由な働き方を実現したかったからです。
雇われケアマネとして働いていた頃は、法人のスケジュールや運営方針に縛られる場面が多くありました。
これが一人ケアマネであれば、働き方を自分で設計することができます。
例えば、業務効率化のために新しいツールを導入したいと思えば、自分一人の判断でそれを実行することも可能です。もちろん、全て自分で背負う責任も伴いますが、その分、充実感ややりがいは格別です。
ケアマネ1年生に伝えたい「ササキさん事件」
この記事を読まれている方の中には、「いつかは独立したい」と考えているケアマネ1年生の方もいるのではないでしょうか。
ただ、1年目はどうしても失敗が多くなり、「自分に独立なんて無理かも…」と感じることもあると思います。私もそうでした。
ケアマネ1年目の私は、まさに毎日が失敗の連続でした。
ここで、私の新人時代の“しくじりエピソード”をお伝えします。ケアマネ1年生の皆さんに少しでも、「自分も大丈夫かもしれない!」と思ってもらえたら嬉しいです。
それは、私がケアマネになって2カ月目、新規の利用者さんを担当することになった時のことです。
一人ケアマネである私のサポート役として、包括の相談員さんが初回訪問に同席してくださり、その場でA訪問介護事業所に依頼することが決まりました。
初回訪問後、その相談員さんから「A事業所の“サセキ”(サ責)に連絡してみて」とアドバイスをもらいました。
初めて訪問介護事業所と連携する私は、緊張しながら電話をかけました。そしてこう言ったのです。
「“ササキ”(佐々木)さんは、いらっしゃいますか?」
一瞬の沈黙の後、A事業所の方は「あの…サ責(サセキ)のことですかね?」と優しく訂正してくださいました。
もしあの時、本当に「佐々木さん」という方がいたら…。私が「サ責」の意味を知るのは、もう少し後になっていたことでしょう。
このエピソードは、私の失敗談のほんの一例に過ぎませんが、失敗を繰り返しながら学んだ経験が、今の私の基盤となっています。
ケアマネ1年生の皆さんは、失敗をしたらこの「ササキさん事件」を思い出して、独立への夢を持ち続けてください。
次回テーマは「独立型居宅のメリット・デメリット」
今回は、私の自己紹介と独立の動機(公正中立な支援、自由な働き方の実現)、そしてケアマネ1年生の皆さんに向けて、失敗から学んだ経験談をお話しました。
今後は、居宅介護支援事業所の独立開業に関する具体的な内容をお伝えしていきます。
次回のテーマは「独立型居宅介護支援事業所のメリット・デメリット」。独立には多くの魅力がある半面、当然ながらデメリットも存在します。両方をしっかりと理解した上で、独立後のご自身のイメージを膨らませていただければと思います。ぜひご期待ください!

- ヒトケア
- 2012年にケアマネジャーとしてのキャリアをスタート。2015年には居宅介護支援事業所を開業し、現在も「一人ケアマネ」として活動している。ケアマネ歴12年以上の経験を基に、業務効率化や居宅介護支援事業所の立ち上げノウハウを発信するブログ「ヒトケア(一人ケアマネ)の仕事術」を運営。NPO法人タダカヨが運営する介護従事者向けオンラインPCスクール「タダスク」の講師も務めている。
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