弁護士からの応援寄稿「知っておきたいトラブル事例と対応策」

万引き癖のある利用者の支援法

担当するご利用者が、外出して万引きを繰り返すようなとき、ケアマネとして何を、どこまで支援すべきでしょうか。また、そのご利用者のご家族が愛想をつかし「これ以上関わりたくない」と言い出したとき、どのように考え対応すべきでしょうか―。事例をもとに解説します。

ケース 万引きさえしなければ…

◆担当しているご利用者と家族
ご利用者Aさん:70代、要介護1。2か月ほど前から前頭側頭型認知症(FTD)が出現。日常生活はほぼ自立。足腰は弱っているものの、杖を突けば外出可能。子供(娘)が一人結婚し他県に住んでいるが、日頃接点はない。
ご家族・妻Bさん:70代。認知機能・身体機能とも問題はない。夫婦仲は良くなく、認知症が出始めた夫の介護や世話を嫌がっている。
◆使っているサービス
福祉用具(手すり)、デイサービス(週2回、入浴目的)
◆相談者
50代の男性ケアマネ

万引き癖が出始めたご利用者への対応に悩んでいます。

Aさんは私の事業所の近所に住む方で、1年ほど前から地域包括支援センターの紹介により当事務所で受け持つようになりました。現役時代は、真面目な公務員だったそう。実際、謹厳実直で、何も問題を起こすようなことは無かったのですが…。

……

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外岡潤
1980年札幌生まれ。99年東京大学文科Ⅰ類入学、2005年に司法試験合格。07年弁護士登録(第二東京弁護士会)後、ブレークモア法律事務所、城山総合法律事務所を経て、09年4月法律事務所おかげさまを設立。09年8月ホームヘルパー2級取得。09年10月視覚障害者移動介護従業者(視覚ガイドヘルパー)取得。セミナー・講演などで専門的な話を分かりやすく、楽しく説明することを得意とし、特に独自の経験と論理に基づいた介護トラブルの回避に関するセミナーには定評がある。主な著書は『介護トラブル相談必携』(民事法研究会)、『介護トラブル対処法~外岡流3つの掟~』(メディカ出版)、『介護職員のためのリスクマネジメント養成講座』(レクシスネクシス・ジャパン)など。「弁護士 外岡 潤が教える介護トラブル解決チャンネル」も、運営中。

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