痛くても苦しくても弱音をはかず、サービスもあまり使いたがらない―。激動の昭和を、歯を食いしばって乗り切ってこられたご利用者の中には、そういう方が少なくありません。茨城で活動するだいごろさんのご利用者も、そんな方でした。

「終末期となっても、なかなかサービスに頼らない気丈な方でした。でも、本当に、最期の最期になって、色々な想いと悩みを吐露してくれるようになったのです」

ようやく、真のニーズに沿ったサービス提供ができる。だいごろさんは、大至急、関係者に連絡し、ケアプランも見直しました。

「皆さんの協力もあり、すぐに、サービス介入の幅を広げることができたのですが…。見直しから1カ月も経たないうちに。ご利用者は、息を引き取られてしまったのです」

容体の変化が速かったため、新たなケアプランを立ててからご利用者とコミュニケーションする時間を確保できなかったことが一番の心残りと語ります。

「ほんの少しでもいい。しっかり話す機会が欲しかった。せめて、空の向こうに伝えたいです。最期にサービス事業所を受け入れてくれて、本当にありがとうございます、と」