令和6年度(第27回)介護支援専門員実務研修受講試験

2024年10月13日(日)に実施された介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネ試験)の解答速報です。

解答速報

  • 介護支援分野
    1. 2 3 4
    2. 3 4
    3. 2 3
    4. 2 4
    5. 1 3
    6. 1 2 4
    7. 1 3 5
    8. 1 4 5
    9. 1 5
    10. 1 2 4
    11. 2 3 5
    12. 1 3 4
    13. 2 3 4
    14. 4 5
    15. 2 5
    16. 1 3
    17. 1 2 5
    18. 1 3
    19. 1 2 3
    20. 1 2 5
    21. 1 4 5
    22. 1 4 5
    23. 1 3 4
    24. 2 4
    25. 2 3 5
  • 保健医療サービスの知識等
    1. 1 2 4
    2. 1 2 3
    3. 1 4 5
    4. 1 2 5
    5. 1 3 5
    6. 1 3 5
    7. 1 3 5
    8. 1 2 4
    9. 1 3 4
    10. 1 3 4
    11. 1 2 5
    12. 1 2 3
    13. 2 4 5
    14. 3 4
    15. 2 3 4
    16. 1 2 3
    17. 2 5
    18. 1 5
    19. 1 3 5
    20. 2 3 4
  • 福祉サービスの知識等
    1. 2 3 4
    2. 1 3 4
    3. 1 3 5
    4. 2 3 4
    5. 2 3 5
    6. 2 4 5
    7. 1 3 4
    8. 3 4 5
    9. 1 2 5
    10. 1 3
    11. 1 3 5
    12. 2 4 5
    13. 1 4 5
    14. 2 3 5
    15. 2 3 4

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総評:簡単な分、小さなミスが命取りになる内容

  • 高齢社会権利擁護研究所 所長 野島正典

はじめに……本年度試験の総括として

2024年度の第27回介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネ試験)は10月13日、秋晴れの清々しい天候の下、全国一斉に実施されました。

2023年公布、本年4月施行の介護保険法等の一部改正や介護報酬の改定、試験の出題準拠となる長寿社会開発センター版の「介護支援専門員基本テキスト」の改訂(十訂)の発行が、試験問題へどのように反映・影響するが大きな関心事でした。

結論として、本年度試験には、法改正も報酬改定も、基本テキスト改訂内容も、ほぼ影響はなかったようです。

また例年に比べて全体的に基礎・基本的な出題となっている上、数問の「言い回しから判断の難しい問題」を除き、読みやすく分かりやすい設問(選択肢表現)ばかりでした。

総じて本年度試験は、極めてオーソドックスで、これまでの出題の焼き直し(良い意味では、再確認)といえる内容でした。

過去問題を主体に基礎・基本を押さえ、しっかり受験準備された受験者は、かなり簡単という印象を持たれたのではないでしょうか。実際、当日、試験会場の一つに赴き状況を確認しましたが、中途退出できる時間帯には、例年にないほど多くの退出者を見かけました。

ただし、そうした問題であった分、ちょっとしたミスが致命傷となる危険性も例年以上と感じました。

一見して平易であり、解答しやすいが、その分、落とし穴に落ちやすい怖さも感じた―。それが本年度の試験でした。

平易かつ基礎・基本的出題―介護支援分野

全25問、事例問題を含めて、平易かつ基礎・基本的な出題内容でした。選択肢の言い回しも癖がなく、じっくり取り組めば、しっかり得点を積み重ねることができたと思います。

既に触れたとおり、法改正・報酬改定(基準改定)や基本テキスト改訂内容を、直接反映した出題は見受けられませんでした。「生産性の向上」などのポイントワードの出題もなく、強いていえば、問題1で「ヤングケアラー」や「ダブルケア」などの近年話題のワードが登場した程度でした。

なお、問題2の「要介護(要支援)認定者数の状況」では、かなり細かな数値が選択肢に示されました。普通、そうした数値までは暗記できるものではありませんから、消去法で正解を導きだす柔軟性が問われる出題といえます。

そして、特に今年の試験では、このような出題がもたらす1点の差が、最終的な合否を分けるかもしれないと感じました。

その他、問題8の利用者負担、問題16の市町村の権限、問題17の認定調査票の内容などは、過去に何回も出題されてきた内容です。一見簡単そうですが、選択肢の表現方法から読み違いし、ケアレスミスを招く危険性は感じました。

一方、地域支援事業や介護サービス情報の公表制度、指定居宅介護支援事業者の人員基準の変更とそれに伴う介護報酬の算定方法・算定基準の変更、モニタリングでのICTの活用などの出題がなかったことは意外でした。一部の基準変更の適用に猶予期間が設けられていることが影響したのかも知れません。

最終盤の出題が合否に影響した可能性―保健医療福祉分野

この分野の全35問も、既に述べたとおり、オーソドックスで、過去の出題実績を踏まえた基礎・基本の内容が中心でした。

特に保健医療サービス等の知識の問題26から問題39までは、素直な言い回しで、かなりの高得点が見込まれるでしょう。

なお、出題を予想していた「健康日本21(第三次)」や「認知症基本法」に関わる出題がまったくなかった点は意外でした。

保険給付対象の訪問看護など保健医療系サービスに関する出題も、ひねりや特異な言い回しもなく、得点しやすかったと思われます。

福祉サービス等の知識も、過去出題された問題がベースになっていました。

問題48の支援困難事例に関する出題、問題49のソーシャルワーク(地域援助)に関する出題は、それぞれの難易度は低いですが、読み違いによるケアレスミスを招く可能性を感じました。

法改正に伴う福祉用具の「貸与と購入の選択制の導入」に触れるか、触れなければ基本に戻り、対象品目について出題されるかと予想していましたが、問題54で後者に関する出題がありました。

問題55の認知症対応型共同生活住居では、計画作成担当者と管理者に関する人員基準の変更を見落としていると失点につながってしまう可能性があったでしょう。久しぶりに問題60で「後期高齢者医療制度」について出題されました。設問自体は平易でしたが、受験時間の終盤で、このテーマはかなり重い。合否に大きく影響する問題の一つといえます。

予想する合格ラインは「40~45点」

普通、問題が平易であれば合格ラインも上がります。ただ、深刻化するケアマネジャー不足などを鑑み、合格者数を増やす(つまり、合格ラインを下げる)という“外圧”が働く可能性があります。

上記の状況を勘案し、最終的には介護支援分野15点~18点/25点、保健医療福祉分野25点~27点/35点、合計40点~45点/60点が、合格基準となるのではないかと予想しました。

11月25日の合格発表を待つところですが、受験者のお一人でも多くの合格を心より祈念します。

次年度の試験は、法改正、報酬改定(基準改定)、および基本テキスト改訂の内容などが問題(選択肢)の中にかなり盛り込まれ、本年度とは大きく景色が変わるのではないか、と予測します。

ケアマネジャー不足は、介護保険制度の維持・継続に影を落とす、深刻な課題です。それだけに、ケアマネジャーへの「入口」であるこの実務研修受講試験の行方についても、大いに関心を持ち続けたいと考えています。

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