有識者コラム厚生労働省に聞く、ケアプランデータ連携システムが介護業界にもたらす変革 【後編】
ケアプランのやり取りを紙からデジタルへ――。オンラインで資料送付が完結する「ケアプランデータ連携システム」は、2023年4月より本格稼働しました。しかし、本システムの持つ価値について「腹落ち」しておらず、導入に二の足を踏んでいる事業所もまだまだ少なくないようです。そこで今回は、厚生労働省の秋山仁さん(老健局 高齢者支援課 介護業務効率化・生産性向上推進室 室長補佐)にインタビューを依頼。後編では、本システムのより具体的な導入メリットや、これから注目しておきたい最新情報などについて伺います。

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「ミスの発生要因を根本から排除、業務効率化の一手に」
2024年に行ったある調査では、9割以上のケースで、ケアプラン送付の実作業(印刷、封入、送付、FAX送信設定など)を担当ケアマネジャーが行っていることが分かりました。より専門性が求められる業務に力を割くために、こうした事務作業はできるだけ効率化するべきではないでしょうか。例えば、ケアプランデータ連携システムの「一括送信」を使えば、指定したファイルを複数の事業所に送ることが可能で(一度に50事業所まで)、作業時間や労力の大幅な削減につながります。「担当ケアマネジャーが必ず送付作業まで担わなければならない」という慣習があるのだとすれば、その点も改めていく必要があるでしょう。 現場の方から「ケアプランを手渡しすることが連携の機会になっている」という意見を頂くこともあります。しかし、本当に対面で話す時間が取れているかを尋ねると、相手が忙しそうだから置いてくるだけになりがち、という返答が返ってくることが大多数。できるところはICTの力で効率化して、連携のための時間をしっかりと確保することが、本来のあるべき姿だと感じます。なお、事業所内に保管するケアプランなどと異なり、事業所間のデータ連携に際しては利用者の署名・捺印済みの書類である必要はないので、その点も心配せずデジタル化に踏み切ってもらえればと思います。 本システムの利用に当たっては年間2万1000円(税込)のライセンス料がかかりますが、これはシステム維持にどうしても必要な費用なので、ご理解いただければ幸いです。むしろ、実際に導入すればライセンス料以上のメリットが期待できる点に着目してもらいたいですね。具体的には、データのやり取りにかかる業務時間を3分の1程度にできるという研究結果があり、人件費、印刷費、郵送費、交通費などの経費が年間約80万円も削減できる試算に。2025年3月開催予定の「介護現場における生産性向上推進フォーラム」というイベントでは、より実践的な成果について報告される予定です。 厚生労働省では「ケアプランデータ連携活用促進モデル地域づくり事業」にも力を入れており、現在(2025年1月時点)のところ全国16県で展開中です。これは、必要な介護ソフトや機器の購入、関連研修の実施、コンサルタント活用、タイムスタディー調査などにかかる費用を1モデル850万円まで補助するもの(1都道府県5モデルが上限)。本システムの利用を地域内で活性化してもらう狙いで、今後はさらに予算を拡大して推進する想定です。また、「ケアプランデータ連携システム構築事業」においてはトライアル機能を実装し、2025年度には約1年間のフリーパス(無料の期間)を予定しています。詳細は2025年3月頃に国民健康保険中央会から公表されるため、ぜひご注目ください。 介護報酬改定で本システムの導入推進はますます強化される流れですし、さまざまな利用者情報を電子的に一元化する「介護情報基盤」という仕組みにも、これからケアプランデータ連携システムが接続されていきます。将来的には「使用することが必須のシステム」になっていくはずですから、後になって慌てないためにも、今のうちから安定的に運用できるよう検討してもらえればと思います。一度にすべての事業所と連携することが難しい場合は、取引件数が多い事業所から段階的に取り組む方法もお勧めです。 「今のやり方で何とかこなせているから大丈夫」「まだ他が導入していないから様子見したい」――。新たなテクノロジーに対して、こうした思いを抱く人は少なくありません。しかし、変化を拒む姿勢を取り続ければ、変わりゆく時代の中で淘汰されてしまう可能性も十分にあります。かのダーウィンは「唯一生き残ることができるのは、変化できる者である」という言葉を残しています。あなたの事業所が生き残れるか、そうでないか――。その分かれ道に、今皆さんは立っているのかもしれません。効率化や経費削減の「本質」に着目してほしい

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「ミスの発生要因を根本から排除、業務効率化の一手に」
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