白木裕子の「実践! 仕事力の磨き方」 VOL.50
近ごろ話題の集合住宅の『囲い込み』-何を変えるべきか、そして現場のケアマネができることは(中編)

日本ケアマネジメント学会副理事長の白木裕子先生が、介護保険制度や社会情勢に対応するためのポイントや心構えを、わかりやすく伝授する「実践! 仕事力の磨き方」。今回は、住宅型有料老人ホームにおける「囲い込み」と呼ばれる過剰なサービスや、それが現場にもたらす影響、現場を担うケアマネジャーが心がけるべきことを、白木先生がアドバイスします。
「お金にならない高齢者」は入居できない現実
貧困ビジネスとは言えないものの、困った事態は、既に生じています。
端的にいうと「お金になる」高齢者じゃないと、入居できない住居が出始めているのです。
実際に経験したり、聞いたりした例では、重いパーキンソン病の方や難病を患っている人でなければ、入居できない有料老人ホームがありました。また、看取りハウスでも、「胃ろうを造設している人でないと入れません」と言われたこともあります。
仮に入居できたとしても「訪問看護を必ず使う」や「口腔内の状態は悪くないのに訪問歯科を使う」「居宅療養管理指導(薬剤管理)が不可欠」など、指定のサービスを使うよう求められるケースも珍しくありません。ケアマネジャーも、こうしたサービスを使うことを前提としたケアマネジメントを強いられます。
「囲い込みに関わるケアマネが悪い」は的はずれ
ただ、住宅型有料老人ホームが、このような対応をしているのにも、それなりの理由があります。
最大の理由は、住宅型有料老人ホームだけの売り上げでけでは、事業を維持していくのが難しいこと。また、昨今の物価高騰は、各事業者の経営をさらに圧迫しています。
「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会」では、そうした経営の現実をあまり直視せず「囲い込みは、よくない」という建前のみで抽象的な議論し、対応策を検討としていたように思えてなりません。
さらに、この検討会の議論では「囲い込みに関わるケアマネが悪い」といった趣旨の意見も出ていたようですが、この意見が、全く的はずれであることは論を待ちません。
- 白木 裕子 氏のご紹介
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株式会社フジケア社長。介護保険開始当初からケアマネジャーとして活躍。2006年、株式会社フジケアに副社長兼事業部長として入社し、実質的な責任者として居宅サービスから有料老人ホームの運営まで様々な高齢者介護事業を手がけてきた。また、北九州市近隣のケアマネジャーの連絡会「ケアマネット21」会長や一般社団法人日本ケアマネジメント学会副理事長として、後進のケアマネジャー育成にも注力している。著書に『ケアマネジャー実践マニュアル(ケアマネジャー@ワーク)』など。
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